34教育工学とは、工学的な手法を使って教育の質を高める学問分野です。みなさんも小〜高校生時代に担当する先生で「アタリ」・「ハズレ」みたいなことを思った人もいるかもしれませんが、調査・研究を行い、それを先生たちと共有することで教育をよりよくしていくことを目指しています。例えば、「どういう授業をしたら、興味をもってもらえるか」「どのような説明をしたら、より記憶に残るか」ということも研究テーマになります。その成果を生かして皆さんに学んでいただきたいと考えています。私たちにとって衣類はとても身近なもので、特にファッションが好きな人にとっては極めて重要なものでしょう。実はこの衣類に関わる産業は、環境問題の視点から多くの問題があると指摘されています。古着の多くがリサイクルされずに焼却処分されたり、古着どころか新品の衣類がそのまま処分されたりして問題視されています。また素材についても、例えば綿を作るのに大量の農薬が使用されていて、土壌や水の汚染、農業従事者の健康などが心配されています。アパレル産業や製品そのものをどうすればよりサステナブルにしていくかがこれからの社会的な課題です。一方、日本の着物はもともと大変サステナブルなものです。染め直したり、徹底的に再利用したりすることで、衣類を長く大切に使う文化です。こうした日本の伝統的な文化を現代のアパレル産業に活かしていくことを考えています。難波 俊樹 准教授大山 利栄 准教授発表会や展示会、ファッションショーといったPRイベントや、製品・サービスの購買意欲を上げるためのSP(セールスプロモーション)イベント、さらに会議、パーティといったイベントの多くは様々な企業が主体となっています。イベントをプロデュースする事とは「イベントの価値を上げる」ことです。企業が行っているイベントや広告プロモーションにおいて、その目的を正しく理解し、企画立案、演出、進行、運営までを構築できることを目標に学んでいます。そのために「企画力」「プレゼンテーション力」「実践力」を育てることをテーマとして、座学だけではなく東京ガールズコレクションやすみだストリートジャズフェスティバルなどの実践の場においてそれぞれが経験価値を高め、フィードバックできるよう研究しています。PRイベント、SPイベントを中心に実践的な経験と思考力を鍛えるよりよい教育をめざして藤森 大祐 教授アパレル産業をサステナブルなものに北原 隆 教授空間をイベント空間にするために何が必要かそもそもイベントを行なうためにはその空間にイベントの実施を可能にするための設備(インフラ)が必要となります。そしてその空間に機材を運び込むための荷物の入り口(搬入口)と入り口から会場まで機材を運ぶためのルート(搬入経路)が必要となります。私は多くのイベント現場に監督として参加してきた経験から、イベント計画学という学問体系を創造しました。この研究分野の第一人者として私は、空間をイベント空間にするためには何が必要なのか、そしてその空間に効率よく機材を搬入するためには何が必要なのかを調査分析しこれを研究しています。多くの人は広場があればイベントができると考えがちですが、そこで想定しているイベントによって電気や給排水、トイレやストレージ、アンカーや耐圧、避難導線やスタッフ導線、緊急車両の進入路などが必要となります。また、イベントは搬入に始まり搬出で終わります。この作業がスムーズに進んでこそいい現場作業が可能になります。ツアーともなると大型トラック十数台分もの機材がやってきます。実は会場計画者や設計事務所、建設会社や開発デベロッパーにこのあたりのデータ知識がないということが研究やコンサル業務の中でわかってきています。この分野は新しいですがイベントに直結していて重要で楽しい研究分野です。経営学科イベントプロデュース学科経営学部 先生の研究紹介経営学部
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