東京経済大学 大学案内 2026
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り 経済学部経営学部コミュニケーション学部現代法学部キャリアデザインプログラム総合教育科目 どう学 ぶ?たかのりしぶやともみせき あきのり講 義 紹 介 芸術学ゼミ紹 介 多様な他者との交流を通じたセルフリフレクションゼミの 活 動 形 態講 義 紹 介 ジェンダー論など個人研究プレゼンテーション絵画や美術作品をじっくり見たことはありますか?ある調査によると、美術館でひとつの絵を見る時間は平均30秒だそうです。一方で作品をどう見たらよいかわからないということもよく言われます。この講義では、そもそも美術作品を“見る”とはどういうことか、美術の“美”とはどう感じ、考えるものなのかという問いを前提に、1期はルネッサンス期から19世紀の終わりまでの、2期には近現代のアート作品を取り上げ、芸術表現が刷新されていった理由やその成り立ちを考えます。ポイントは芸術作品の制作背景だけではなく、そうした作品がなぜ求められ、どう見られたのかという視 点 もあ わ せて表 現 やテ ーマの 変 遷を歴 史 的 に 考 察することです。芸術家たちの苦悩や困難、評価のされ方といった歴史的な理解を深めることで絵画の見方は変わります。そうした歴史も踏まえたうえで、絵画をしっかりと観察し、自分なりに考える経験を通じて、“美”という感性に対する批判的リテラシーを養います。ゼミの目的は、多様な他者との交流を通じ、自身を成長させることです。今年は多民族国家であるネパールに2週間滞在し、現地の学生たちとの協働を経験しました。過去にはタイやベトナムでも同様の活動を行っています。現地の暮らしを見るだけでも、得られるものは多くあるはずです。異なる文化を体感したことで、自らの成長を実感した学生もいるでしょう。しかしゼミの本質は単なる異文化理解ではなく、「自分以外のすべてが他文化である」ことに気づき、他者を通して自らを見つめることにあります。多様化が進む現代社会を生きるには、文化的感受性(cultural sensitivity)を磨くことが欠かせません。難しいテーマですが、その過程で、言語習得や多文化理解といった新たなモチベーションも生まれるのかもしれません。自主的に高みをめざすゼミ生も多く、彼らいわく「うちはガチゼミ」。楽なゼミではありませんが、その分確実に力がついているのを感じるらしく、「大学生活に物足りなさを感じている人に薦めたい」とも言ってくれます。フィールドワーク企業・地域とのコラボレーション1期には家族や労働、教育とジェンダーについて、2期には性をめぐるさまざまな現象について学びます。受講学生の男女比は半々。伝えたいのは、ジェンダーに関わる生きづらさが社会的に作られたものであるということ、作られたものは変えることができるということです。この大学案内を読んでいる人の中にも、周囲から「女の子は地元の大学でいい」と言われている女性がいるかもしれません。また、「男らしくない」とか、「非モテ」であることに悩む男性もいるかもしれません。授業を通じて、こうした生きづらさの原因が、個人ではなく社会の側にあると気づくことができるでしょう。社会のあり方を疑う姿勢を身につけることは、卒業後も役立つはず。授業では、職場に不合理なジェンダー格差があることや、家事負担が女性に偏っていること、これらの問題をどう解決できるかについても扱います。個人が自分らしく自由に生きられる社会をめざして、ジェンダー論を学んでほしいです。ゼミ研究報告会李 孝徳 教授澁谷 知美 教授関 昭典 教授 059ACTIVITY

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