今井稜馬大尾侑子准教授平瑞帆いまいりょうまおおびゆうこたいらみずほコミュニケーション学部メディア社会学科(3年)東京都立北園高等学校出身コミュニケーション学部(4年)宮城県泉高等学校出身経済学部経営学部コミュニケーション学部現代法学部キャリアデザインプログラム総合教育科目「 好 き」や「フ ァン」を 学 術 的 に とら えて み よう 。ゼミ研 究 テ ーマメディア文化の社会学−ファンカルチャーから情報社会をまなざす大尾 侑子 准教授のゼミに所属する学生2名と教員によるスペシャルトーク「ファン」をキーワードに現代社会のメディア文化を社会学的に考察します。学生の主体性と互いの趣味嗜好を尊重することをモットーに、議論、フィールドワーク、プレゼンテーション等に取り組みます。 2人は昨年、2年次と3年次で活動が一緒でした大 尾ね。最初は戦隊ものの映像を見たのかな? はい、仮面ライダーシリーズにジェンダー問題などが描かれているということで、今井さんが提供してくれた映像をみんなで見て、どう描かれているかを考察しました。 先生から男女差別の問題を聞いて、ゼミ生で話今 井し合ううちに今の仮面ライダーやプリキュアは男女混成らしいとなって、取り上げたんですよね。 私からキャンセルカルチャーや人種差別、ポリ大 尾ティカルコレクトネス、ジェンダー表現の問題等をキーワード的に投げかけ、学生がそれに関連する作品を提案することも多いですね。 フィールドワークも印象深いゼミ活動のひとつです。自分たちの足で情報収集して、最終的に壁新聞やZINE(小冊子)にまとめることは、達成感もあり、新たな興味を持つきっかけにもなりました。 昨年は、ファンカルチャーをテーマに各班の行大 尾きたい場所に調査へ行きましたね。 私は野球ファンなので、選手とのコラボメニュー今 井など“球場飯”を調べて、ZINEにしました。 私の班は渋谷の土地開発、文化、カフェ、ギャルについて調査しました。真夏の渋谷を3時間くらい歩いて、すごく暑かったです。でもゼミは楽しくて、一度も大変だと思ったことはありません。ただ卒業論文は正直、大変でした(笑)。 平さんの卒業論文テーマはK-POP関連ですね。大 尾 私自身がK-POPファンなので、悪質なファンをテーマに、ファンが自分は正当なファンか悪質なファンかをどのように自覚するのかについて調べました。メディア社会学の視点からファンとしての自分を客観的に考えるのと同時に、ファン自体を学問的にとらえられて面白かったです。 平さんが考えた卒業論文の問いは、欧米の大 尾ファン研究でも扱われる重要テーマです。そういう問題設定に自分で辿り着いたことに感動しました。 コミュニケーション学部は2年次から専門ゼミがあるので、早くからアンケート調査やさまざまなファンの考え方を見聞きすることができました。そこから疑問や興味が湧いて、卒業論文の方向性も決められたのだと思います。 好きなものを好きというだけでなく、一歩引い大 尾て学術的に見返すことは、好きなものへの理解を深めると同時に、他の人が好きなものや自分は興味がなかったものに対する発見にもつながります。このゼミの魅力はそこにあるのかなと思います。 大尾ゼミの学生はそれぞれ何かのファンなので、他の人の好きも自然と尊重できていますね。私は不動産業界に就職しますが、お客さんと雑談をする時にも、ゼミで培った幅広いものの見方が役立つと思います。 私は将来、街づくりや地域を盛り上げるイベン今 井ト企画の仕事をしたいです。SNSなどのメディア媒体を駆使し、ファンが望むものなども取り入れながら、地域貢献できたらと考えています。 平平平平平平 043SPECIAL TALK学 生 教 員 学 生
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