東京経済大学 大学案内 2025
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「対話力」を高めることが、今、社会に求められています。おかもとひでお岡本英男学長 学部・専門の垣根を超えた多様な学び今、世界的に求められるのは「対話力」。   もうひとつ、東経大が重視している仕組みは、ゼ学 長ミです。2人は、ゼミにどういう感想を持っていますか?   大学に入って初めてゼミという形式を体験し西 吉たのですが、今までにない感覚でした。自分だけで考えるということは今までもしてきましたが、その考えを他の人に向けて発信するということも初めてでしたし、発信した意見に対して思いもよらない反応学長ゼミとは?考えを深め、鍛え、育てるが、それらはひとつの入り口だと思います。それぞれの学問を推し進めていくと、他学部の学びとつながりますし、総合教育科目にあるような哲学、歴史学、自然科学、心理学、芸術学、政治学といったさまざまな学問と結びついていきます。ですから東経大は学部の垣根を飛び越え、社会科学や人文科学といった、ジャンルを超えた学びができるようなカリキュラムを用意しています。それが「考え抜く実学。」を実践するためのひとつの仕組みなのです。が返ってくることも新鮮でした。ひとりで考えて凝り固まった考えが解されて、柔軟な考え方ができるようになりました。   自分が考えていることをゼミで発表し、きち中 田んと伝えることは、とても難しく感じました。でも、なんとかうまく説明しようと試行錯誤することで、自分ひとりで漠然と考えていたことが、よりはっきりしてきたり、違う面が見えてきたりして、考えが深まったと思います。   東経大がゼミを大切にしているひとつの理学 長由は、「対話力」を培ってほしいからです。自分とは意見の異なるいろいろな人と対話し、意見を主張したり、相手の意見を理解したり、たとえ理解できなくても対話を続ける力が、「対立」を避ける力なのです。SNS上で起こっているさまざまな対立から、多くの犠牲者を出している紛争や戦争まで、対立の背後には「対話力」の欠如があります。今「対話力」は、世界的に求められている力なのです。   ゼミが少人数制なのも、良いと思います。いやが西 吉おうでも対話に積極的に参加するようになりますから。岡本英男学長が2019年度から主催している有志学生のための自主ゼミです。正課授業として開講しているゼミ(演習)とは異なり、卒業単位として認定されることはありませんが、毎年度10名程度の学生が水曜4時限目に集い、意見を交わしています。   ゼミもそうですが、プレゼン大会なども充実し中 田ているので、自分の考えを社会に向けて発信し、大きな対話が生まれる場がいろいろあると思います。   私は皆さんに、優れた人格者として育ってほ学 長しいと考えています。違う立場の人と出会い、お互いが一生懸命生きていることを認め、尊重し、違う立場に敬意を払える人間になってほしい。さきほど西吉さんが言った、E.H.カーの「自分の立場にとらわれない」というのは、そういうことだと思います。知識を身につけるだけではなく、言葉の背景にある他者の生き方を理解する。ぜひ東経大に在学している間に、その「対話力」を身につけてください。003東経大のゼミ

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