東京経済大学 大学案内 2025
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(オペレーションズ・リサーチ)会計管理工学、システム分析論経済活動の結果を数値化するのが基本ですが、数字だけでは見えない要因までも見える化します企業や社会が抱えている課題を、勘や経験ではなく、科学的に分析・評価し、適切な意思決定に導く学問です いのうえけいた研究分野みわまさし研究分野井上慶太准教授三和雅史准教授経営学部とは、何を学ぶところなのか、どんな面白さがあるのか、東経大の経営学部ならではの強みはどこにあるのかを、分野の異なる3人の先生に伺いました。東経大には多様性の土壌がある。   経営学部において3人の専門の立ち位置を大森 岡まかに言うと、「ラーメン屋の行列」について、どうアプローチするかの違いに例えられると思います。「マーケティング」の私の場合、なぜ行列ができるのか? どうやったら行列ができるのか? また行列に並んで食べた人はどんな満足を得られるのかを考える立ち位置です。井上先生の「会計」の場合は、行列ができたことの経済的効果や問題点を数値化しつつ、数値に表れないような課題をも炙り出す立ち位置。三和先生のオペレーションズ・リサーチ(以下OR)の場合、行列ができないように効率的な運用の仕方を、さまざまな数理モデルを用いて検証、改善する、というような感じだと思いますが、いかがでしょうか。   そうですね。「会計」について補足すると、名前井 上から数字だけ扱っていると思われがちですが、経済的活動を数値化したうえでそれぞれの企業の思いや、地域や時代的な背景、ライバル企業との関係といったファクターを数字に絡めながら考えていきます。   ORは、課題を多角的、科学的に検証し、企業や三 和社会を適切な意思決定に導いていきます。ですから、さまざまな分野の知識を使わなければなりません。マーケティングや会計などさまざまな専門とつながる必要があるのです。ORはそうしたつながりの「横串」になる役割も担っていると思います。   「横串」というのは、大変重要なことですよね。東森 岡経大の経営学部の特徴として、多様性があるということが挙げられると思うんです。私たち3人でさえ、これだけ研究の内容が異なるし、経営学部のなかにはもっと違う専門があります。そして学生はそれらをどれでも学ぶことができる。「横串」の考え方を学ぶにはうってつけの環境ではないでしょうか。   ゼミの発表会を見ていてもそれは実感しま井 上すね。ゼミによってカラーはまったく違うし、突き詰めている専門もまったく違う。でも、他のゼミがやっていることを聞くことは本当に刺激になるんです。もちろん専門を掘り下げることも大切ですが、全体を俯瞰するバランス感覚も大切だと思います。   そうですね。専門をしっかり学び、それを専門森 岡以外の視点から見つめ直すことが、専門を鍛えて実学に近づけてくれるのだと思います。   また、同じ専門でも、いくつものタイプの授業井 上があります。私の授業では基礎力を身につけ、ゼミでその応用力を鍛える。さらに会計プロフェッショナルプログラムでは、現役の税理士や公認会計士にお話を伺い、実践力を養うというように、さまざまな角度から専門を磨くことができます。「好き」なものがある、ということが大切。   東経大のスローガンである「考え抜く実学。」森 岡にとって大切なものは、何だと思われますか?   私は「考え抜く」には2つあると考えています。三 和ひとつは、自分の専門を掘り下げる「深さ」、もうひとつは、広く多面的に物事を考える「広さ」です。社会に出た時、実際の課題に直面した時に必要となるのは、この両方だからです。   私は「考え抜く」ためには、それぞれの人にとっ井 上て気になるもの、好きなものについて学ぶことが大切だと思います。それは企業だったり製品だったり、何でもいいんです。そしてそれがなぜ好きなのか、どこが気になるのかを突き詰めていくことが、学びを進める原動力になると思うので、ゼミでは自分の好きなものをテーマとして取り上げてもらいます。好きなも040三和先生、井上先生、森岡先生によるスペシャルトークやりたいことが見つかれば、「考え抜く」ことは楽しい!鼎談経営学部で何を学ぶ?どう学ぶ?

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