東京経済大学 大学案内 2025
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専門を掘り下げていくと他の学問と結びついていく。ゼミでの発表や議論は思考を柔軟にしてくれます。なかたゆうだいにしよしはやと中田雄大西吉隼人 現代法学部現代法学科(2年)東京・国立筑波大学附属視覚特別支援学校出身経営学部(1年)東京・私立明治学院東村山高等学校出身環境、格差、貧困、差別、紛争といった世の中の問題は、さまざまな要因が複雑にからみあい、時には矛盾をはらみ、知れば知るほど答えが見えなくなってくることもあります。しかし私たちは、その問題に立ち向かい、より良い世の中をつくるため、最適解を追い求めていかなければなりません。そのための大切なチカラが「考え抜く実学。」教員との距離が近い少人数教育、教員や仲間と語り合い、より思考を深めていくゼミ、そして学部の垣根を超えた学びに触れられる東経大で、「考え抜く実学。」は無限大の可能性を高めていきます。聞かれると決してイエスとは言えないです。なかでも、「良い歴史家は自分の立場にとらわれない」という言葉が気になりました。自分の立場にとらわれずに物事を見るというのは難しいと思います。どのようにすればできるのか、考えさせられました。   中田さんの言うように、歴史を考えるという学 長ことは、過去を振り返りながら現在のことを考えるということです。例えば、第一次世界大戦、第二次世界大戦、世界恐慌などを、現代の問題意識で振り返ると、絶えず新しい気付きがあります。それが、過去と現在の対話ということです。また、西吉さんが気になった、自分の立場にとらわれないで歴史を見るという点は、とても大切な問題です。私たちはそれを実現するために学んでいると言ってもいいでしょう。   もうひとつ、E.H.カーの本のなかで、「人類は西 吉技術面では目覚ましく発展しているが、精神的な進化はそれについていけず、隔たりができている」というところがありました。これはまさに、今話題となっているAIの問題に重なります。私は総合教育ワークショップの授業で、AIによる自動運転についてレポートを書き発表しました。テーマは、自動運転車が大勢の人を巻き込む事故を起こしそうになった時に、AIの判断で進路を変え、少数の人を傷つける事態になった時、それは正しい判断なのか?AIに判断させることは正しいのか?というものです。答えは簡単には見つかりませんでした。   科学技術の問題を考えることで、その奥に法学 長律や倫理といった人間の精神の問題に直面するのですね。   東経大は社会科学系の大学ですが、総合教中 田育科目では文化人類学や言語学、心理学といった人文学系の授業も充実しています。私は現代法学を学んでいますが、法律というのは社会通念(常識)と深く結びついており、社会通念は文化と結びついています。ですから、社会科学の背後にある文化、言語、コミュニケーションを学べる東経大は、とても良い環境だと思います。   東経大には、経済学部、経営学部、コミュニ学 長ケーション学部、現代法学部、キャリアデザインプログラムという4つの学部と1つのプログラムがあります002学問の垣根を超えた学びができる。   学長ゼミでは、学生たちが読みたいという本学 長を取り上げて、じっくり読んでいます。直近では、名著として読み継がれているE.H.カーの『歴史とは何か』を読みましたが、2人はこの本を読んで、どんなことを感じましたか?   本の内容は難しいと思いましたが、読み終え中 田てみると達成感がありました。「歴史を考えることは過去と現在の対話である」という有名な言葉は、心に残りました。   確かに難しくて、すべてを理解できたか?と西 吉東経大の「考え抜く実学。」とは?

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