立教大学 CAMPUS GUIDE 2024
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Read MoreRead More037卒業生のWork&Life▶大学での学びを生かし、多彩な分野で活躍している卒業生を紹介しています。日本航空株式会社松本 可穂 文学部 文学科 2019年卒業 在学中は英語をはじめ、スペイン語や韓国語など、言語学習に力を入れました。特に中国語は集中的に学び、スピーチコンテストにも出場。思うような結果が出ず悩んでいたところ、先生から「正確な文法や発音だけでなく、学んだ言語を生かして何がしたいか考えなさい」と助言をいただきました。言語スキルを向上させること自体が目標になっていましたが、その言葉のおかげで言語が持つ本来の意義を再認識できました。また、学外の手話教室では、手話の学習をとおして相手を知ろうとする姿勢の大切さを学びました。「しょうがい者=助けが必要」と思い込んでいましたが、むやみな手助けが彼らを不快にすることもあるのだと気づかされたのです。コミュニケーションにおいては、しょうがいの有無に限らず、まずは相手をよく見て、それに合わせて行動することが不可欠なのだと実感しました。 現在は日本航空の業務企画職として勤務しています。社内外のさまざまな方と関わる場面が多く、各セクションの立場を理解して関係性を構築しながら業務に臨んでいます。海外ではまだまだ認知度が低い当社。経営面やサービス面における課題の解決を図り、世界中の方々から愛される航空会社にしていくことが目標です。経済産業省(国家公務員一般職)黒田 真歩 文学部 文学科 2018年卒業 シェイクスピアの舞台を観劇したのをきっかけに英米文学に関心を持ち、文学部へ進学。当初はイギリス文学にしかあまり関心がありませんでしたが、3年次の演習科目で、アメリカのビート・ジェネレーションが生み出した文学を勉強したことで、世界を見る目が変わりました。世の中への反発が全面に出た文章ではあるものの、「社会を良くしたい」というメッセージが込められていることに気づいたのです。反骨精神あふれるアメリカ文学に魅力を感じ、4年次の卒業論文では、テネシー・ウィリアムズの戯曲『ガラスの動物園』を研究しました。文学作品に登場する人物は架空の存在であっても、彼らには人格があり、さまざまな言葉を投げかけてくれます。そして彼らをとおして、異なる時代や価値観に触れることができ、問題に対する正解は必ずしも1つではなく、視点を変えれば人生の捉え方さえも変わるということを実感しました。 また、国際協力人材育成プログラムや課外活動などを通じて、それまで見えていなかった労働問題や難民問題、貧困、差別といった国内外の諸問題に気づき、その解決に少しでも貢献できればと思い国家公務員を志望。現在は環境省に出向しており、東京電力福島第一原子力発電所の事故後の除染作業によって生じた除去土壌に関する広報政策に携わっています。正確な情報を発信して、多くの人に理解を深めてもらうことはとても大変ですが、より良い政策づくりにつなげられるよう努力していきたいと考えています。文学をとおして異なる時代・価値観に触れ社会課題の存在に気づけたとともに柔軟な思考を身につけられたコミュニケーションの真髄は言語スキルの有無ではなく他者の立場や気持ちを考慮すること

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