立教大学 CAMPUS GUIDE 2024
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コミュニティ福祉学部PICK UPPICK UP137この専修では、個人の身近な生活課題やグローバル社会全体に関わる多様な問題を、人と人のつながりをつくりながら自分たちの力で解決できるようになることを目指します。政府や企業に任せきりにせず取り組めることがあるのでは? さまざまな地域で発生している問題をリサーチし、解決のためのビジョンや構想を描き、みんなの居場所がある緩やかなネットワークを創造・形成する。このような観点からコミュニティを研究し、実現することを目指します。そのために、社会学、社会福祉学、社会開発論、コミュニティビジネスといった現場に深くかかわる学問から、公共哲学やいのちの倫理学といった人間や社会のあり方を考える学問に至るまで、幅広く学ぶ力が身につけられる学修機会を提供します。この専修では、民主主義社会の構成員として、政治や社会の公的な意思決定に能動的に参加・参画する市民として行動できるようになることを目指します。現実社会がどうなっているのか、なぜ既存の仕組みでは問題解決が難しいのか、どうすれば問題解決につながる制度や政策を作ることができるのか、論理的に考える力を身につけます。生活に関わる社会問題の背景や構造を理解するために、政治学や経済学、社会学、行政学、地方自治といった社会科学の領域を幅広く学び、地域社会の現場に触れながら、問題解決の手法を学びます。安心して暮らせる社会の実現に向けて、主体的に社会に働きかけたり、政府や地方自治体へ政策提言したりする力を身につける学修機会を提供します。学びのKEYWORDまちづくり社会運動SDGs学びのKEYWORD地方自治地域活性化NPOシェアグローバル化サードプレイス自治体政策 シティズンシップ教育ワーキング・プアコミュニティ形成の核となる「共通の絆」を捉える■現代コミュニティ論都市・地域社会学におけるコミュニティ論の理論的な視点を身につけます。地域や国境を越えた人の移動によって特徴づけられた現代社会では、地域性と共同性からなる伝統的な地域社会としてのコミュニティの存在を前提とすることはできません。それでもなお、人々の生存の場としてのコミュニティが希求されていること、その核となる「共通の絆」の可能性と課題を考えます。グローバルな視野から捉え草の根で行動する■国際NGO論グローバルな視野から、貧困の発生要因や途上国で生活している人々と私たちのつながりを考えます。例えば、先進諸国で大量消費されているファスト・ファッションや農作物には、途上国における貧困層の低賃金労働が関係しています。こうした現状を見た上で、人間のwell-beingを第一に考え、コミュニティを基盤として社会開発・発展を推進する国際NGOの理念や取り組みについて学びます。業務の量と質の変化から自治体政策の実態と課題を捉える■自治体政策論近年、規制緩和や民間化・民営化等により、自治体業務の多くは民間の手に委ねられていますが、地方分権によって業務量はむしろ増加しています。また直接サービスを提供する役割が減った分、管理・監査業務が増えるなど、仕事の質も変容しつつあります。業務量をこなすために職員の非正規化も進んでいます。この授業は、行政学・地方自治の視点から、こうした変化を自治体の政策過程と関連づけて捉え、自治体政策の実態とその課題について学びます。経済と福祉の関係を通じて私たちの生活を考える■福祉経済学「福祉」という言葉を聞くと高齢者やしょうがい者など社会的弱者への支援をイメージされる人が多いでしょう。しかし「福祉」の学問的意味は「社会を良い方向に導く」といったもので、そのための政府の政策はあらゆる人々を対象としています。福祉は経済とも密接な関係があります。例えば日本では公的年金は誰もが加入する制度であり、そのために動くお金は年間50兆円とGDPの10%にも達します。福祉経済学では福祉と経済、そして私たちの生活との関わりについて考えます。

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