職業能力開発総合大学校 大学校案内 2025
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建築工学専攻U30U31U38U35キーワード担当教員建築構造、木質構造、耐震性能、構造実験藤野 栄一 教授キーワード担当教員木材・木質材料、機械加工、材料特性園田 里見 教授/飯田 隆一 助教 キーワード騒音問題、温熱環境、空気品質、給排水、振動実験、省エネルギー 池田 義人 准教授/飯泉 元気 助教 担当教員キーワード担当教員地球温暖化、カーボンニュートラル、経済社会システムの変革清水 洋隆 教授/柿下 和彦 教授/渡邊 正人 准教授/池田 義人 准教授建築構造物の耐震性能に関する研究 我が国は、世界有数の地震大国であり、1995年に発生した兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)は、神戸市を中心とする関西地域一帯に甚大な被害をもたらしました。そしてこれを機に、建物の耐震性能の重要性が再認識されました。 建築構造ユニットでは、建物の耐震性能を精度良く推定する方法を提案することを目的として、構造実験により耐力壁や接合部の強さを明らかにしたり、振動実験により地震動に対して建物がどのように動くかなどを調べています。 1の写真は、木造制震壁を設置した木造3階建て住宅2棟の振動実験の様子です。建物内に制震壁を設置した建物(右の建物)は、制震壁がない建物(左の建物)より地震に対する変形が小さくなっています。また、2の写真の制震壁の性能を調べる実験は、学生の卒業研究の一部として取り組みました。木材の特性を探究し、性能を高める加工技術の開発 木材は地球にも人にも優しい材料です。皆さんが脱炭素社会や持続可能な社会を実現するために、不可欠な資源・材料です。未来を豊かに暮らすために、宇宙から室内まで様々な場面で、木材の活用が期待されています。木材を効率よく利用するために、私たちが解決しなければならない課題はたくさんあります。 私たちのユニットでは、建築や家具に使用する材料として、木材を研究しています。構造材に必要な強度特性、内装材や家具に適した機能特性、地球環境に優しい乾燥方法、新しい木質材料、木材の快適さなどの研究を行っています。さらに、性能を高めたり、新しい機能を付与するといった木材の加工技術の開発も行っています。音・熱・空気など住環境の快適性向上と毎日使用する水の安全が研究テーマ 建築環境分野では、音や熱、COVⅠD-19の感染拡大で話題となった空気の品質などが、在室者の快適性・作業性等に与える影響を分析します。また、建築物のエネルギー消費量の削減についても研究対象とします。建築設備分野では、普段の生活で使用している水などのインフラ設備が、災害や老朽化で使用できなくなることを想定して、振動実験などにより非破壊的に劣化や損傷を見つけ出す技術の開発が目標です。実際の配管は複雑に配置しているため、3Dスキャナなどを活用します。最後に、これらの研究をとおして、更なる省資源・省エネルギーの推進、自然エネルギーの利用拡大など、地球にやさしい研究室を目指します。GXで世界をリードする人材を育成するために 脱炭素とは、地球温暖化の原因である二酸化炭素などの温室効果ガスを植物による吸収によって実質排出量ゼロにする取り組みのことです。これを単なる環境問題対策とするのではなく、経済成長のチャンスと捉え、産業競争力の向上とあわせて経済社会システムを変革していくのがGX(グリーントランスフォーメーション)です。今後、国や企業が中心となり、様々な分野でGXが進められます。 私たちのユニットでは、機械、電気、電子情報および建築の各分野においてGX推進に必要な知識、技術、技能を明らかにし、GX人材のための効果的な育成プログラムを開発するための調査・研究を行っています。1.共同研究:木造制震壁開発のための実大振動実験 株式会社サトウ(担当:津田氏)、工学院大学河合研究室、工学院大学名誉教授宮澤氏との共同実験木質材料についてのディスカッション3Dスキャナで撮影した職業大の地下ピットの配管再生可能エネルギーを利用した発電(風力発電)2.木造制震壁の構造性能評価実験木製ベンチの劣化と好ましさの研究植物の蒸散と住環境への影響に関する実験GX人材育成のための研修29建築構造木工・塗装・デザイン建築環境設備エネルギーGX能力開発

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