職業能力開発総合大学校 大学校案内 2025
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U26U27U28U29キーワード担当教員キーワード担当教員キーワード担当教員キーワード担当教員建築計画、意匠設計、フィールドワーク、CAD・CG、VR和田 浩一 教授/伊丹 弘美 准教授/樋口 貴彦 准教授 建築施工、技能科学、木質構造塚崎 英世 教授/佐畑 友哉 助教 RC造建物の構造評価、解体技術、フライアッシュ、地球にやさしい材料舩木 裕之 准教授/財津 拓三 准教授コンクリート、歴史的建築物、耐久性  山﨑 尚志 准教授/岡 健太郎 特任助教RC造建物の性能向上に関する研究 建設施工・構造評価(RC)ユニットでは、鉄筋コンクリート造(RC造)の構造評価や耐久性能の向上ならびに安全な施工方法に関する研究を行っています。近年は、特に2つの課題に力を入れて取り組んでいます。 1つ目は、寿命を迎えた古いRC造建物の解体方法に関する研究です。建物の解体は事故が多く、危険がいっぱいです。解体工事中の安全を確保しつつ、効率的に施工するための方法を現場調査と大型試験機を使って明らかにしようと試みています。 この問題を解決することで、建設作業者の安全性と少ない日数で解体が可能になると期待しています。 2つ目は、フライアッシュの有効活用に関する研究です。フライアッシュとは、石炭を燃料とする火力発電所から排出される燃焼灰のことです。このフライアッシュをコンクリートに使用するセメントの一部と置き換えることで、セメント量の削減ができ、セメント製造時のCO2排出抑制に寄与します。このようなフライアッシュを混合したコンクリートは、環境配慮型コンクリートとも呼ばれ、地球にやさしい材料と考えることができます。建築・地域・都市空間を活性化させるための調査・提案・設計 卒業設計では、自らテーマを設定し、都市や地域、街、集落などを活性化させるための建築空間と外部空間の計画・設計提案を行います。 テーマは、4年間学んだ知識や技術を活かし、現在の建築・地域・都市が直面している課題により発見します。実際の敷地を選定して「ひと・こと・もの」の総合的な視点より調査・分析を行い、既存の型通りの建築(ビルディングタイプ)に縛られない新たな課題解決型の提案を行うことを目標としています。 都市空間では人・建築・地域の新たな繋がりや関係性の構築が、人口減少時代において一層重要になってきます。地域に根ざした都市・建築環境の構築や持続性のあるシステム(仕組みづくり)を提案し、模型や図面、CAD・CGによって表現します。建築材料で人々の暮らしを豊かにし、人・建築を守る 建築仕上材料は、見た目の印象を左右するだけでなく、居住環境の維持や改善、利用者の保護などの重要な役割を持っています。本ユニットでは、それらの役割を研究するため、2つの視点から建築材料を扱っています。 1つ目は、今後の建築を担う視点として、見た目の良さ・強度・環境性能などの機能をバランスよく備えた材料や、地震時に破損・落下して人的被害や避難の妨げにならないような材料・工法などの開発を行っています。 2つ目は、今ある建築を守る視点として、材料を壊すことなく強度や劣化状態を推定して長持ちさせる方法や、歴史的建築に用いられている技術・デザイン・材料などを保護・補強・再現して、安全に残す方法を提案しています。VRを使った空間認知研究建築大工作業の動作解析RC柱の解体実験の様子材料強度が壊さずに推測できれば、建物へのダメージが少なく済みます。研究室学生による建築設計競技作品(入賞作品)床の実験フライアッシュの中性化試験の様子鉄筋コンクリートの内部を透視。まるで建築を診断する医者のよう。28建築工学専攻 研究ユニット建築計画・設計・CAD建築施工・構造評価(木造)建築大工の技能継承・木造建築の架構設計に関する研究 木造建築の生産現場における課題を解決することを目的に大きく分けて2つの研究テーマに取り組んでいます。・建築業界で深刻な人材不足と技能継承に関する課題に対して、職業大の技能分析スタジオ(Skill Analysing Studio)に設置されたモーションキャプチャー、視線解析装置などを用いて、熟練技能者の動き・視線などを測定し、技能を科学した結果に基づいた建築大工技能の効率的な習得方法や教材作成を行っています。・木造建築の設計者が架構設計(柱やはり等の配置を決定する)を行う際に不安に感じていることを、構造実験で確認して、より良い設計方法や施工方法を提案しています。特に、構造的に弱点となる木材と木材を長さ方向に接合する「継手」の位置が、木造建築物全体の構造性能にどのように影響するのかを明らかにする実験や解析を行っています。建設施工・構造評価(RC)建築仕上・材料評価

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