職業能力開発総合大学校 大学校案内 2025
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U10U11U12U13キーワード担当教員キーワード担当教員キーワード担当教員キーワード担当教員機械加工、計測、機械学習二宮 敬一 准教授/吉田 瞬 助教技能、暗黙知、数値化古賀 俊彦 准教授/松本 拓哉 特任准教授射出成形、金型、CAM、 NC加工 太田 和良 准教授/久保田 竜太 特任助教 設備診断、機械系保全、電気系保全市川 修 教授/三上 貴正 特任准教授ものづくりに関する技能を解き明かす!! 生産現場には、いまだに人手による作業が多くあります。人手による作業は作業者の技能によって決まってきます。本ユニットでは、金属加工に関する作業を分析する研究を行っています。 金属加工とは、工作機械や手仕上げ工具を使って、金属を削ることです。工作機械を使った金属加工では、材料をバイスなどの冶具に取り付ける作業があり、カン・コツなどの経験値をもとに締め付けています。例えば、多くの量を加工する荒加工では、材料を強く締め付け把持(はじ)しなければ、材料が飛んでいき、危険です。加工精度を要求される仕上げの加工では、強く締め付けすぎると材料が変形してしまい、高精度なものをつくることができません。また、手仕上げ作業であるヤスリ作業では、熟練技術者が今までの経験をもとに作業が行われ、暗黙知が多くあります。 このような金属加工に関する技能の暗黙知を定量的かつ視覚的に把握評価でき、技能を素早く身につける手法を考案することを目的としています。CAD/CAM/CAE技術を駆使し、金型設計製作・プラスチック成形技術を革新する 身の回りのプラスチック製品の多くは、金型によって成形されており、この金型によって安価に大量生産ができるようになっています。しかし、成形現場ではプラスチック成形品が金型から外れずに、生産が止まってしまったり、製品である成形品を変形・破損させてしまうなどのトラブルが起きています。 私たちは、成形品が金型に貼り付いて剥がしにくくなる現象(離型抵抗)について研究しています。この現象のメカニズムを解明して、事前に剥がれにくさの度合いを予測できる技術を確立するとともに、効果的に剥がしやすくする成形技術の確立を目指しています。さらに各種NC加工機を用いた金型製作と、これに関係する研究開発を併せて行っています。切削加工におけるインプロセス計測システムの開発 機械加工の分野では、技術者の経験によって切削状態が正常または異常の判断が行われています。 私たちのユニットでは、機械加工中の“切削現象の見える化”を試みています。このために、切削力やエネルギーの計測、高速度カメラによる観察、シミュレーションによる評価など様々な観点から検討しています。 最近では、膨大なデータからコンピュータがより良い決定とその予測を行うAIが注目されています。 私たちは、収集した切削データからコンピュータが反復的に学習し、そこに潜む加工現象のパターンを見つけることで、リアルタイムに切削状態が判断できるシステム構築を目指しています。このシステムによって、より高精度かつ高能率な加工に期待ができます。機械設備を維持管理する技能者を育てる 工場で使用されている機械設備が本来の性能・機能を発揮できなくなると、製品の歩留まりが低下したり生産が停止したりするという問題が発生します。生産への影響を最小化するためには、設備の劣化や故障の状態を定量的かつ正確に把握し、計画的に保全(メンテナンス)する必要があります。機械設備には、機械要素だけでなく、電動機、センサ、制御装置なども含まれており、それらの保全方法も多岐にわたります。機械保全の技能を効率よく訓練する方法、設備の様々な情報をセンサで収集して運転中に状態監視を行う方法などについて研究を行っています。 本研究では基礎データの収集として、動力計やAE計測による切削力、切削エネルギーの計測、FEM解析、高速度カメラや切り屑の観察による加工状態の観察の3方向からのアプローチによって、切削現象の見える化を試みています。フライス盤荷重計可視化装置バイス締め付け力可視化装置開発 プラスチック射出成形の離型力計測バイス技能検定課題チャック締め付け力測定成形品の樹脂流動解析模擬生産設備トルク計チャック旋盤10機械設計機械加工NC・CAM機械保全機械工学専攻 研究ユニット

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