建築生産技術は、戸建て住宅から超高層ビルに至るまで、人間が生活や仕事をするための環境を創造する上で不可欠なものです。建築物はさまざまな技能・技術を有機的に統合して構築され、多くの人々の協力によって企画・設計・施工されています。近年では、伝統的な建築技術・技能に加えて、耐震・免震技術や高断熱・高気密技術といったイノベーション・テクノロジーが求められています。建築専攻では、木造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造の設計、施工、構造、内外装仕上げ及び建築設備に関する技術・技能を習得します。その際、建築意匠設計、環境デザイン、空間構成や建築計画を学ぶだけでなく、ノミやカンナを用いた加工、配筋や型枠工事を含めた建築工事に関する技術・技能を習得します。また、建築物の設計から維持管理までを総合的に管理できるBIMなどのDX関連技術についても理解を深めることができます。生産現場において指導的役割を担う能力を兼ね備えた実践技術者や質の高いテクノインストラクターとなりえる人材育成を目的としています。前田あやめさん令和3年度卒業生スリットを設けたセメント系材料に作ったタイルに、光を当てることでできる影の濃淡を利用して模様を作るための研究を行っています。通常タイルは建築用の仕上げに使用されますが、ただ壁にタイルを並べるのではなく、新しい方法として、陰影を用いて絵のような意匠性のある面白い外壁ができれば良いと考え、研究しています。具体的には、影の量によってどの位の明るさになるかがわかる計算式があるため、それに基づいて決まりを見つけ、実際に自分で作った20パターンのタイルを使用して、陰影を作り明るさの実験確認を行っています。私は、建築設計を行うために必要な能力の一つであるスケール感について研究しています。スケール感とは、家具や空間などの大きさを適切に把握する能力です。この能力が不十分だと、設計を誤ってしまうことがあります。そのため、設計分野で働くことを目指す人にとって、スケール感を身につけることは、とても重要です。研究では、スケール感の特徴を明らかにするため、建築を学ぶ学生に対し、縮尺のかかった図面を読み描きする技能を調査しました。さらに、3D/CADやCGを活用し3D空間を体験させることでスケール感がどのように向上するか教育実験をとおして、効果的な指導方法を探っています。26ユニット名 建築計画・設計・CAD高木舜典さん令和4年度研究学域修了生●建築工学に関する基礎知識を有し、 建築生産現場の課題に対応できる応用力●設計課題をとおした、企画・立案・課題解決能力 およびプレゼンテーション力●チームワークが必要となる実習をとおした、 他者と協働する力科目例・建築計画・構造力学・建築環境工学・建築材料実験・建築設計製図・木造建築実習・鉄筋コンクリート建設実習・内装実習その他、専門・共通科目あり 建築設計から施工に至るまでのプロセスを理解した実践的な能力を身につける学びを通して身につく力LABORATORY 研究室紹介ユニット名 建築仕上・材料評価
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