電気システム技術は、家電、ロボット、電力インフラ、鉄道、電気自動車など、あらゆる分野で利用されており、現代社会に不可欠です。特に省エネルギー技術を駆使し環境に配慮した、高度なファクトリーオートメーション、電力システムや電気機器の企画、設計、運用は、今日の産業界においてニーズが高く、DX・GXに対応できる人材も望まれています。電気専攻では、一般教養に加え電磁気学、電気回路論を基礎として、その上で電力システム、電気機器、自動計測・制御等の専門分野の講義・演習・実験・実習を行う、体系的に組み合わせたカリキュラムで学びます。卒業研究では自身の興味のある分野を中心に、エンジニアとして諸問題を正しく把握し原因究明、適切な対策を提案できる能力を養います。仮想空間での運用も含めたロボットのシミュレーション・制御技術、回路シミュレーションを組み合わせた太陽光発電の高効率化技術、エコマテリアルなどの材料、電気化学を含む環境関連の知識もカリキュラムには含んでおり、DX・GXに対応した開発から製造、運用、廃棄までを一貫してリードできるエンジニアを育成します。山口颯斗さん研究学域2年生世の中には見逃されているエネルギーがたくさんあります。例えば、使い終えた乾電池には、わずかにエネルギーが残っているのに廃棄されています。使い終えた乾電池1本に残ったエネルギーは小さく、そのままでは利用できませんが、それを集めて大きなエネルギーにすることができれば、さまざまな用途で活用できます。私は、そのようなしくみを実現するための基礎研究を行っています。まずは、使用済みの乾電池に残ったエネルギーを少ないロスで取り出す方法について検討し、さまざまな条件で実験を行っています。この研究の最終目標は、各家庭で使い終えた乾電池のエネルギーをコミュニティ施設に持ち寄り、そこに設置された大容量の蓄電装置に集めて利用できるようにすることです。私は有害なガスを検知するためのガスセンサを、ウッドセラミックスという素材を用いて作る研究を行っています。今、市場に出回っているガスセンサは数十万円~数百万円ぐらいかかるものが普通です。しかし、今私が研究で使用しているウッドセラミックスは捨ててしまう紙や木、もみ殻やココナッツの外皮などの廃材を原料とできるため、安価かつ環境への負荷が少ないエコマテリアルとして注目されている素材です。これを利用したガスセンサは、安価で環境にやさしく、製作も容易になります。今は主に建築現場で塗料に使われるような揮発性有機化合物(メタノールやアセトンなど)を使用して、有害ガスを検知するかどうかの実験を繰り返していますが、今後扱うガスの幅を広げていきたいと考えています。18ユニット名 応用センシング谷本知也さん令和4年度研究学域修了生●幅広い就職先(電気・電子・情報・機械・居住)への対応力●新しい分野(クリーンエネルギー発生から スマートシステム)に対応できる基礎力●膨大な実習時間に裏付けされたイメージを 形にできるものづくり力科目例・電気電子工学基礎実験・電気設備施工実習・環境エネルギー設備実習・FAシステム実習・パワーエレクトロニクス実習・ディジタル電子回路・コンピュータプログラミング実習・機械工学概論その他、専門・共通科目あり 電気技術を通して、環境に配慮した豊かな社会を実現する学びを通して身につく力LABORATORY 研究室紹介ユニット名 電気環境エネルギー
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