武蔵大学 GUIDEBOOK 2026
45/126

経済学部/経営学科専門ゼミナール第 1部ジェット戦闘機が活躍する大作の続編がヒットしたり、人気の監督によるアニメ作品が話題を集めたりしています。映画の世界では、同じ俳優や監督による続編が成功する可能性は大きいものの、3回、4回と続けるのは容易ではありません。製作の現場ではスタッフの刷新や新しい撮影技術の導入など、絶えざるアップグレードが続けられています。               日常生活も同様です。毎日気の合う友人と一緒なら居心地はいいかもしれませんが、ときには刺激が必要です。新しくサークルに入ったり、アルバイトを始めたりすることで、自分を成長させることができるでしょう。こうした活動は「知の探索」と「知の深化」とも言われます。探索は新しい世界の発見であり、深化は同じ枠のなかでの知識の活用です。組織とは既存の知識を活用することには抵抗はありませんが、新しい知識を探索する行動をとることは「創造性を発揮する組織の研究」西武鉄道との産学連携ゼミ一橋大学大学院商学研究科博士後期課程修了。一橋大学イノベーション研究センター研究員、関東学院大学講師、武蔵大学経済学部准教授を経て2015年より現職。専門は組織論、イノベーション・マネジメント。容易ではありません。したがって、継続してイノベーションを実践するには、知の探索を意識して行うことが大切です。つまり多様性をいかに確保するかが重要なのです。多様性の導入はイノベーションを促しますが、それだけではヒット商品にはなりません。既存知識との結合が大切です。映画も日常生活も経営も、組織活動である以上、同じことが言えるのです。ゼミでは「チーム・パフォーマンス」をテーマに、多角的な視点から研究を進めています。組織行動に関する研究では、リーダーの言動がチームに与える影響について、学生とともに探求しています。チームメンバーが現場に満足せず、新たな挑戦に取り組 む 組 織 の 特 徴 や、各メンバーがリーダーシップを発揮し、協力して目標を達成する「シェアード・リーダーシップ」について仮説を立て、実証的に分析しています。また、組織行動研究に加えて、2年次後半からは西武鉄道株式会社との連携による「江古田キャンバスプロジェクト」に参画し、日本大学藝術学部、武蔵野音楽大学の学生と共に地域の魅力を発信する活動を行っています。協業の難しさと素晴らしさを実感しながら、実践的な学びを得る貴重な場となっています。このゼミでの学びを通じて、自分が目指す分野でリーダーシップを発揮できる人材に成長してほしいと願っています。伊藤 誠悟 教授 043安定した日常から脱却し革新をもたらす活動とは定量的な分析力を身につけ創造的な組織を多角的に研究ゼミの学び映画や新商品のヒットを生み出すのは個人のアイデア? それとも組織の仕組み?

元のページ  ../index.html#45

このブックを見る