クリエイティブイノベーション学科□III教員紹介教員学生による授業紹介 CREATVENNOVATON形状の検討素材の検討側面のデザインモックアップ制作プロセス行きたいと思うオープンガーデン調査の他に幅広い年齢層の方々が個人の庭を見学できるオープンガーデンが行われている。しかし、現状では中高年の来訪者が多く、若者の少ない傾向にある。そこで、地域の人との交流を促進するためにも、若い世代にも訪れて欲しいと考える。調査期間2023 年 12 月 4 日〜2023 年 12 月 9 日方法「行きたいと思うオープンガーデン」と称したMicrosoft Forms を用いたアンケート調査対象者首都圏に住んでいる学生 85 名調査項目『行くのに 1 時間歩くとして、それでも行きたいと思えるオープンガーデン』を 14 項目、(1) とても行きたくない ~(7) とても行きたいの7段階で評価・デートスポットとして使える・のんびり見ることができる・ふらっと立ち寄れる・一種類の花が見れる・絵画が飾られている・いろんな花を見れる・スタンプラリーがある・□解きができる・珍しい花が見れる・有名な花が見れる・一人で行ける・映える・その土地の農産物とコラボしている・花以外は何もないアンケート調査では、若者が行きたくなるオープンガーデンを調べるために調査結果より、行きたいと思うオープンガーデンはどういう特徴のものが多いのか明らかにすべく因子分析を行った。因子分析の結果、自然を楽しみたい系と散歩を楽しみたい系、そして花以外も楽しみたい系の3つに分かれた。しかし、質問項目の「映える」、「いろんな花を見れる」、「一種類の花が見れる」は複数の要因で高い数値を表したため、それら以外でもう一度因子分析を行った。大人の乾杯に彩りを添える紙コップ。四季の移ろいに、色を添える、紙の器であるという三つの意味を込めて「しき」と名付けた。従来の紙コップの形状や大きさ、質感、色味を再検討した。持ちやすさ、飲み物の香りなどの特徴、見た目などの観点から検討。重ねられる円錐台の形状はそのままに、比率を調整した。交ぜたバンブーペーパーを採用。最初のモックアップは半紙と水色の広がり方、口当たりの良さから竹とサトウキビの繊維を織りに解いたボンドで制作。お花見などの場をイメージし、コンセプトとともに深めていった。お酒の邪魔にならず、より美味しく感じられるデザインを目指した。硬さのイメージを再現するため、最終的に厚紙、半紙を用いてモックアップを制作した。側面の半紙はアクリル絵の具で着彩し、最後に全体を防水材で塗装した。現状と背景小平市では、観光の一環として、ブルーベリーやグリーンロード目的若者の来訪者を増やすために、若者にも興味を持ってもらえるような方法を提案する。調査調査結果□□□□□□□□□□□□□□考察と提案分析の結果、ひっそり散歩オープンガーデン因子は 1 時間かけてで□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□服部アノン□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □ □□質問項目の「珍しい花が見れる」、「有名な花が見れる」、「その土地□□□□□□□の農産物とコラボしている」、「花以外は何もない」は自然オープン□ □□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ガーデン因子、「一人で行ける」、「のんびり見ることができる」、「ふらっと立ち寄れる」はひっそり散歩オープンガーデン因子、「スタンプラリーがある」、「□解きができる」、「絵画が飾られている」、「デートスポットとして使える」はワクワクオープンガーデン因子に分類できた。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□また、自然オープンガーデン因子では「珍しい花が見れる」が最も負荷が高く、ひっそり散歩オープンガーデン因子では「ふらっと立□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ち寄れる」が最も負荷が高く、ワクワクオープンガーデン因子では□□□□□□□□□□□□□ □□□ □□□□□□□□「□解きができる」が、最も負荷が高かった。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ さらに、この3要因の中に有意差があるか調べるため尺度得点を□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□用いて分散分析も行った。分散分析の結果、因子分析で得られた自然オープンガーデン因子は有意差があり (F(2,168)=24.796,p<.01)、ひっそり散歩オープンガーデン因子 (F(2,168)=28.606,p<.01)、ワクワクオープンガーデン因子も有意差があった (F(2,168)=26.975,p<.01)。多重比較を見たところひっそり散歩オープンガーデン因子は他の因子との有意差が認められた(p<.01)。しかし、自然オープンガーデン因子とワクワクオープンガーデン因子には有意差がないことがわかった (n.s.)。- 161 -も特に訪れたいと感じるオープンガーデンであることが明らかになった。この結果から、小平市内で若者がよく通るエリアや通学路、駅、公園などに、オープンガーデンへの案内板を設置し、各オープンガーデンには「ゆっくり見ていってね」や「のんびりどうぞ」といった、安心感を与えるメッセージが書かれた看板を設けることを提案する。案内板や看板を設置することで、オープンガーデンを知る若者が増え、地域コミュニティの活性化も期待される。専任教員客員教授・准教授長谷川敦士教授[主任]サービスデザインUXデザインインフォメーションアーキテクチャ荒川歩教授心理学井口博美教授デザインマネジメントデザインサーベイマーケティング岩嵜博論教授ストラテジックデザインビジネスデザイン丸山幸伸教授ビジョンデザインサービスデザインプロダクトデザイン若杉浩一教授デザイン製品企画製品開発石川卓磨准教授現代美術美術批評表象文化論高濱正伸客員教授自立できる人間を育成するための教育全般の研究と実践西村真里子客員教授スタートアップアート思考テクノロジー×クリエイティブ石井挙之客員准教授グラフィックデザインナラティブデザインアクションリサーチ『偽帰国』スーツケースの準備や戸締まりなど、故郷・台湾への帰国時に行うことを実践し、自宅から空港、空港から自宅までの自分自身を映像で表現(11分)2年次開講『しき shi-ki』紙コップ の大きさや形状、質感などを再検討し、口紅の跡を色の揺らぎの一部として自然に捉えることができるプロダクトを提案消失した集落の歴史や現在も山と水を守る人々の姿を通して、自然の循環と人間の役割を再考したドキュメンタリー(10分30秒)『ユニリン』コンセプトは「市ヶ谷の道をかき混ぜる」。グリム童話のハーメルンの笛吹き男のように、音に惹かれて一輪車を一緒に押していたら、今まで知らなかった場所に行ってしまうような体験をデザインした小平市のオープンガーデンに関して量的調査を行ったプレゼンボード(左)とお菓子の食べ過ぎを防ぐ方法を考察した論文(右)手がかりに、自分が帰国するときの身体行為を擬態して、故郷に帰る前のワクワク感を体験し、さらに何もせずに空港から家に戻るとどんな感情が引き起こされるのか知りたいと思いました。最初はアイデアが浮かんでもすぐに否定課題で制作したもので、紙コップに口紅が付いてしまうことに着目しました。短い制作期間で課題を発見し、試作を繰り返して人に伝わる表現を考えていくことは大変でしたが、最初のアイデアで止まらずに、お酒を上品に楽しむための紙コップに展開できたことに手応えを感じています。してしまい作業を進められませんでしたが、「目的にこだ わり過ぎず、思考を広げてみること。つくりながら考えてみなさい」という先生の助言が大きな助けになりました。この言葉があったからこそ、作品を完成できたと思います。日常の経験から新たな価値の創出を目指す演習で、サービスデザインの発想法やデザイン、研究のリサーチの方法論などを学ぶクリエイティブヒューマンバリュー論と両輪で学んでいきます。演習の課題はグループで取り組み、メンバーの経験談からアイデアを膨らませ、ジャズバーをイメージしたコミュニケーションアプリを提案しました。新しいサービスやプロダクトを構想するためには、それを利用する人々や生活への理解が欠かせません。そのためクリエイティブイノベーション学科では基礎課程の2年間をかけて、社会学調査の方法を学ぶフィールドリサーチ演習を受講します。1年生では数値データに基づいた分析法を学び、2年生では数値に還元できない人の行動やその背景にある深層的な心理を読み解く質的分析法を学びました。どちらの演習でも結果に基づいた簡潔な考察や提案を行い、質的調査では、お菓子の過剰摂取を防ぐ新しいプロダクトを考えました。基礎課程では自分の考えを論理的に伝えるスキルを身につける演習も並行して行われるため、授業の学びをうまく連動させた提案ができたと思います。「実社会における学び」を重視するクリエイティブイノベーション学科の主軸となる演習で、企業や自治体と共創する社会課題解決型プロジェクトに参加します。その数は10以上あり、実施場所も都内や地方とさまざまです。私が参加したのは滋賀県長浜市の余呉湖をフィールドに「水と人との関わり」をテーマにしたプロジェクト。3週間ほど現地に滞在し、狩猟免許を持つ経験を生かして、湖よりさらに上流の川や山に入りました。『20年』大阪の人々が普段利用する水がどのように届いているのか。余呉地域の大きな特徴は既存のユーザーと直接会って会員登録する招待制であること。ファシリテーターとして9人という大所帯の意見をまとめることは大変でしたが、思いも寄らない意見が出る楽しさもありました。リサーチもデザインもまだまだ詰められたと思います。もっとデザインを勉強して、より良い提案をすることが目下の目標です。産学プロジェクト実践演習Ⅰ・Ⅱそこで出会った人々に話を聞く中で、彼らの自然に対する独自の価値観に感銘を受け、彼らの生活や生活の知恵に焦点を当てた映像作品を制作しました。ドキュメンタリーの撮影は初めてでしたが、完成度はまだまだ。もう一度余呉に行ってシナリオやストーリーを再構築したいです。造形構想基礎実習Ⅲ(行為の実験)「行為」に注目して実験的な制作を行う実習で、4つのクラスに分かれて課題に取り組みました。私が選択した百瀬文先生のクラスは「擬態のエクササイズ」がテーマ。動物や昆虫だけでなく人間も擬態するという先生のお話や参考作品を造形演習Ⅳ(プロダクト)クリエイティブイノベーション学科の2年生はデザインリテラシーや、グラフィック、プロダクトなどのデザインプロセスを学ぶ造形演習を必修します。プロダクトデザインの演習では、さまざまな加工方法を試しながら紙で動物を表現する課題や、「投げる」や「回る」をテーマにしたおもちゃの制作に取り組みました。この作品は「ダサい」と感じるモノをリ・デザインするフィールドリサーチ演習Ⅰ・Ⅱ服部アノンさん│2年しき shi-ki陳 映慈(チン エイジ)さん1年江口さくらさん│2年遠藤佑亮さん│3年3・4年次開講1年次開講1・2年次開講3・4年次開講提供するコミュニケーションアプリ。好きな曲をプロフィールに設定し、ユーザー同士がチャットをしたり、一緒に音楽を聞くことができる3・4年次開講クリエイティブヒューマンバリュー演習小林花樺さん│3年『Meetjam』「憧れの世界の仲間入り」という経験価値をクリエイティブイノベーション演習Ⅰ・Ⅱ柚木信寿さん│3年市ヶ谷をフィールドリサーチし、発見に基づいたプロトタイピングと社会実装を行いました。都会のイメージが強い市ヶ谷も、リサーチを始めてみると城下町風情が残るエリアがあることに気付き、そんな市ヶ谷を知ってもらうために提案したのがこの作品です。車輪上の譜面にピンを挿すと□盤が弾かれ、オルゴールのように音を奏でるもので、場をつくり、人々のつながりを生み出す神輿などをヒントにしています。あえて自立しない機構にして、一体感が生まれることも狙いました。制作には市ヶ谷キャンパスの工房をフル活用し、実際にたくさんの通行人に押してもらうことができました。これからも人々の生活をちょっと楽しくするようなものづくりに取り組んでいきたいです。チームをまとめあげることの大変さと楽しさ発見から日常のドキドキやワクワクを演出する水と人との関わりをナラティブに伝える試み思考を広げ、つくりながら考える大切さを学べた問いを展開する大切さ「構想」に欠かせない社会学調査の方法を学ぶ113
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