3年生になって自由課題が増え、思うような制作ができ3年次のガラス専攻は、キルンワークとホットワーク工芸工業デザイン学科II,III教員紹介教員学生による授業紹介 NDUSTRALNTERORANDCRAFTDESGN専任教員客員教授山中一宏教授[主任]インテリアデザインプロダクトデザイン伊藤真一教授インテリアデザイン家具デザイン稲田真一教授カーデザイン大村俊二教授ガラス造形熊野亘教授木工デザインプロダクトデザイン鈴木洋教授金属工芸高橋理子教授テキスタイル着物田中桂太教授インダストリアルデザイン中原俊三郎教授プロダクトデザイン西川聡教授クラフトデザイン陶磁岩佐十良雑誌編集宿泊施設などのクリエイティブディレクション川上典李子デザインジャーナリスト21_21 DESIGN SIGHTアソシエイトディレクター山田遊バイヤー石膏取りで左右対称の造形物をつくる課題で、私は「個」としての1つの塊から2つに分裂しようとしている瞬間をイメージしながら制作しました。稲田(真一)先生にトヨタのデザイナー時代のことを伺ったとき、「ハイライトもデザインする」と話されていたのが印象的で、曲線やエッジを常に意識しながら造形するという自分なりの目標はもちろん、ハイライトや光、影のデザインも心がけ、クレイモデルをいくつも制作してスケッチだけではわからない理想的なかたちを模索しました。制作期間が短く大変でしたが得られるものが多く、2年次後期からのコース決定のきっかけの1つになった課題です。この作品から過去、現在、未来の形態に想像をふくらませてほしいと思っています。『TWIN』石膏、アルミパイプ、木材H310×W400×D150mm『YOUR OWN Headspace』宙吹き│ガラス、ワイヤー、てぐす展示│H4000×W5000×D2000mmら7週間かけて制作を行い、その後、卒業制作と基礎実習Ⅱ(凧)基礎実習で凧をつくる課題に取り組みました。どんな凧をつくるのか。素材も大きさも自由だったので、凧が動きながら飛んでいたら面白そうだなと思い、プロペラを付けて回転する機構を考えていきました。「プロペラを意味のあるものに」という先生のアドバイスを参考に、プロペラが動力源となって風を掻き分けながら進むような仕組みを検討し、試作品をつくって飛ばしながら検証を重ねました。風の流れや空気抵抗を考えた制作は新鮮で、試作での失敗から発見もありました。基礎実習はものづくりのさまざまな考え方や素材に触れられるのがメリットです。私は木工志望ですが、異なる素材を知っていることは強みになると思っています。表現実習Ⅱ(自由形態)クラフトデザインⅦ(ホットワークⅢ)に交互に取り組みます。任意の空間のための作品をつくるホットワークの課題では、宇宙をコンセプトにしたおひとり様向けのBARを想定し、宇宙を連想させるのにふさわしい「惑星」をモチーフに制作しました。8つの惑星の大きさを実際の比率にできるだけ合わせたため、木星が現時点で私が持っている技量クラフトデザインⅥ(Studies)るようになったことが自信につながりました。自分らしさを見つけるスタディ課題では、そんな感情の変化をテーマに、普段から描いている瞳をモチーフにしたイラストを具現化しました。これほど大きなサイズに設定したのは、あえて自分に試練を課して可能性を広げたかったから。鍛鉄技法を自分なりに工夫し、やってみたかった壁掛けでの展示にも挑戦しました。鉄の質感や素材感を損なうような塗装をしてしまったのが反省点で、完成度はまだ低いものの、6週間の制作期間を全力で突っ走れたことで、自分の限界はこんなものではないと実感できました。卒業制作ではもっと大きな作品に挑戦し、限界を更新したいです。クラフトデザインⅣ・Ⅴ(エントランスファニチャー)2人1組で棚を制作する課題です。この課題の前に1人で制作したオブジェを飾ることが条件だったので、お互いのオブジェの見せたいところを話し合い、住宅で使うシェルフをテーマにデザインを検討していきました。生活空間に置くため使いやすさにこだわり、蛇腹状の扉で収納部分が隠れる構造を採用。実寸大のモックをつくって実験を重ねました。柱の先端が天板から浮いているようなデザインにした理由は、無垢材の経年変化による割れやねじれに対応するためです。木工をやっている以上、生産性や無駄を省くことを考慮しないわけにはいきません。扱いづらいと言われる無垢材をどう考えていくか。その先にデザインの完成があると思っています。森田至穂さん大学院修士1年後藤馨介さん│1年の限界へのチャレンジでした。アシスタントをお願いした友人には負担をかけてしまいましたが、スムーズな共同作業の方法を学べたことは収穫です。金属反応で生まれる新たな色の発見や、ガラスの重量感や質量の大きさを実感でき、繊細さだけでなく強さや存在感も自由自在に表現できるガラスの可能性に気付くことができました。飯島真愛さん2年福田穂乃香さん│4年クラフトデザインコースガラス専攻金工専攻『煌憂―正と負の感情―』│鍛鉄、打ち出し│鉄│H3000×W2000×D150mm3年次開講森田実穂さん│3年クラフトデザインコース島崎烈さん│3年クラフトデザインコース木工専攻『Shelf』ブナ材H1220×W1400×D400mm島崎烈、本田純子の共作1年次開講2年次開講3年次開講3年次開講4年次開講卒業制作陶磁専攻の4年生は、卒業制作の前に「プレ卒制」と呼ばれる制作に臨みます。夏休み明けかしてブラッシュアップを行います。私は4年次での自由課題全体を通して、「お面」をテーマに、手捻りではなくろくろ技法を用いた成型に挑戦していました。卒業制作でも回転体を再構築するという面白さを取り入れて制作を行いました。このアイデアは、3年次後期の花器課題がヒントになっています。そもそもお面をテーマにしたのも、2年次に課題で土面を制作したり、4年次前期の自然をテーマにした課題で、土着神や自然崇拝に着目したりしたことがきっかけでした。今振り返ると、4年間で得た発見や経験をしっかり生かすことができたと思います。もっと大きな作品に挑戦し限界を更新したい生産性を考慮し合理的なかたちを追求する工デで得た発見や経験を生かせた卒業制作さまざまなものづくりの考えや素材に触れられる魅力平面ではわからない理想の立体を模索した素材の新たな可能性を実感できた宙吹きの課題089『凧』木材、 布、紙H900×W1500×D800mmインダストリアルデザインコース『面―人という名の魔物―』陶磁器│陶土H450×W250×D150mm
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