武蔵野美術大学 大学案内 2026
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3年次開講3年次開講油絵学科油絵専攻IIII教員紹介教員学生による授業紹介 PANTNG/PANTNGCOURSE専任教員客員教授『Skip』│インスタレーションクラフト紙、木、ビニルホース、ワイヤー絵画実習Ⅱ(技法研究Ⅰ)北方ルネサンス期の絵画技法を学ぶ授業で、描きたい作家の作品を選び、その技法を研究して模写に取り組みます。私は装飾的な作品に興味があり、金箔を使った表現が多い中世ヨーロッパの祭壇画を調べる中で、下地の石膏を盛り上げてその上から金箔を貼っている、造形的にもつくり込まれていて面白いカルロ・クリヴェッリの「マグダラのマリア」に出合いました。同時代の他の作品も当たりながら技法を予想立てて作業を進め、金箔の扱い方は先生から指導してもらいました。高校生の頃から古典技法を学べる絵画組成室に興味があり、実際に授業を受けるとたくさんの学びがあります。今回の制作で学んだ装飾的表現やハッチング技法を取り入れて、自分なりの作風を確立したいです。金子愛さん│3年サイズ可変『ちから』│パフォーマンス水上泰財教授[主任]絵画赤塚祐二教授絵画小尾修教授絵画組成樺山祐和教授絵画小林耕平教授現代美術小林孝亘教授絵画諏訪敦教授絵画袴田京太朗教授彫刻町田久美教授絵画丸山直文教授絵画吉川民仁教授絵画金田実生絵画津上みゆき絵画長島有里枝現代美術写真文芸土方明司美術評論見えてこないデッドスペースを設けています。油絵専攻の先生だけでなく、彫刻学科の先生からも素材の選択や向き合い方、細部の造形について指導していただきながらイメージをかたちにしていきました。これが何なのか、今すぐ答えを出すことはできないのですが、今回の制作で「つくる」ということを以前より理解できた手応えがあります。絵画基礎Ⅰ(人間を描く)平面色彩構成(メディアと色彩)市川颯人さん│2年絵画に限らずさまざまなメディアの授業が設けられていて、私はコンテンポラリーダンサーを講師に身体表現を学ぶクラスを選択しました。体育館の柔道場で身体を動かす基礎から学び、ダンスや舞踏の歴史的背景に関する座学もありました。最終課題では自由な表現に挑戦。私は表現者がリアルタイムで自作の鑑賞者にはなれない身体表現の特質や、装い、男性性をテーマに発表しました。共通彫塑の課題でパフォーマンスに挑戦したことはあったものの、身体の構造や身体を動かす際の意識に目を向けられたのはこの授業がきっかけです。自分自身をメディアにしたことで自分という人間について考えを深められ、絵画や美術の枠組みにとらわれない自分本位の制作ができるようになりました。絵画実習Ⅳ(コンクール)油絵専攻は3年生になると自由課題になり、先生と対話しながら自分の表現を見つけていきます。自由課題のコンクールで発表した本作は、機能と造形が一体となり、人がダイレクトに関わっている建築や、野外彫刻の公共性や身体の関わり方に対する興味から出発したものです。クラフト紙で構築した立体物は直角が1つもなく、周囲を回っても中林拓巳さん│1年1年生の最初の授業で、6つのクラスに分かれて「人間を描く」という課題に取り組みます。各クラスを担当する先生によって指導が異なり、私のクラスの赤塚(祐二)先生は「モデルのポーズ決めも画材も自由。楽しんで描いてほしい」という方針でした。ムサビの油絵にはアカデミックな印象があったので、写実的に描こうという意識と自身の表現をしたいという意識がぶつかり合い、悩みながら筆を進めていました。そんなときにモデルさんと話せる機会があって自分の世界とつながったような気がしたことや、友人から「楽しみながら描写できる方法を探してみたら?」と言われたことをきっかけに一気に画面が変わりました。自分は何のために描きたいのか、本格的な学びの前に問い直すことができた作品です。『Set Fire』キャンバスに透明水彩、油彩H910×W727×D20mm大木花帆さん│3年1年次開講2年次開講イメージをかたちに。学科を超えた対話も重ねて古典技法の研究は多くの学びがある本格的な学びを前に「描くこと」を問い直せた身体表現への挑戦で変わった意識073『マグダラのマリア』テンペラH460×W410×D30mm

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