武蔵野美術大学 大学案内 2026
36/76

日本画学科II教員紹介教員学生による授業紹介 JAPANESEPANTNG専任教員客員教授間島秀徳教授[主任]日本画絵画岩田壮平教授日本画尾長良範教授日本画絵画室井佳世教授日本画熊澤未来子准教授絵画北澤憲昭近代日本美術史を踏まえた多面的な視点からの日本画研究國司華子日本画栗林隆現代美術全般日高理恵子絵画を使っています。この課題は金箔を作品に用いることが条件だったので、取り扱いに慎重にならざるを得ず個性が強い金箔と、シンプルに描きたいという私の意志が戦う感覚がありました。4枚の絵はすべて自画像です。絵を学ぶ難しさを日々感じていますが、ムサビは先生や友人、環境も良く、これからもたくさんの経験を積んでいきたいです。風景の課題で、3年生全員で群馬と長野へ写生旅行に行き、スケッチするところから始まりました。景色は雄大で素晴らしかった反面、あまり心が動かず、自分は何に興味を持っているのか、描きたいものは何かと内省する中で出てきたのが、自分の部屋を描くというアイデアです。私の部屋の窓から見える木々と私に関連性はなくても、入れ替えてみたら面白いのでは?という興味卒業制作を控えた最後の自由課題です。3年生まで水辺の野鳥を画題にしていましたが、背景の水面が魅力的と先生から言われたことをきっかけに、今まで描いてこなかったことに挑戦してみようと、4年生からは徹底的に水面を描いています。この作品は、瞬間瞬間に違った動きをする水面に残された風の流れや鳥の動き、揺らぐ影や光の跡を集めたもので、絵具と水の働きで偶然出来上がる模様を描き起こすことを意識しました。1年生で受講した「線との対話」という視覚伝達デザイン学科の授業で、墨と水を使い、さまざまなにじみをつくって画面と向き合う中で、絵具と水で模様をつくる方法に気付きました。そのときの発見が、今になってつながったように思います。土田安珠さん│4年が着想の源になりました。墨の黒や流動性に美しさやはかなさを感じていて、画材に多用してきましたが、今回は墨では出せない色で表現することにも挑戦しています。木の葉のかたちを取るなど気持ちを込めて描く作業が多く、「感情が線に表れる」ことをこの制作で改めて実感できました。日本画基礎Ⅱ(風景)風景を描く課題と聞いて、ただ見たままの風景を描くだけではつまらないと感じ、外側の風景や心の中にある風景を組み合わ せて、「風景の中の風景」という発想で制作を始めました。私にとって制作は、自分自身の生きがいや信仰と深くつながるものです。信仰が与えてくれる希望を鑑賞者と分かち合いたくて、悩みながらも絵を描く私自身がアトリエにいる姿を描きました。室内を描くにあたって、歪みや狂いのないパースの取り方やモノのかたちを正確に取る訓練にしようと意識し、岩絵具を使ってアトリエに色彩的な魅力を出せるような光の表現にも注力しました。日本画の画材は準備や労力がかかりますが、考える時間がある分、水彩とは違った面白さを感じています。東西の古典文様や装飾空間の研究を通して日本の 装 飾 美への 理 解を深める授 業で、特 別 講 師を招き、画面に箔の装飾を施す古典技法のレクチャーもありました。集中しながら絵を描きたい私は、毎回下図を描かずに描き始め、画材も扱いやすい水干絵具やアクリル絵具を主に選び、制作の最終段階で岩絵具絵画実習Ⅲ(風景)八田真穂さん│3年絵画実習Ⅷ 4年次開講キコ オングシュエン ニンさん1 年リョウ ゴゲツさん│2年3年次開講『部屋』和紙、墨、岩絵具、水干絵具、クレヨン、木炭H1120×W1455×D30mm1年次開講日本画基礎Ⅴ(意匠と造形) 2年次開講内省から出た「私と木を入れ替える」アイデア他学科の授業での発見が制作につながった正確な描写や画材の魅力的な扱い方も意識した金箔と私の意志が戦う069『跡』和紙、水干、岩絵具H1303×W1620×D30mm『眺める信仰』│水干、岩絵具│H652×W530×D20mm(左から)『私の目を見てはいけない』H530×W333mm、『Levyのはなび』H530×W333mm、『あたしを愛して』H720×W510mm、『部屋の隅』H455×W273mm すべてアクリル、金箔、岩絵具

元のページ  ../index.html#36

このブックを見る