武蔵野美術大学 大学案内 2026
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i KABAYAMASachkazuMESSAGE武蔵野美術大学学長学長メッセージ樺 樺山山祐祐和和MESSAGEもに福音館書店)専門分野│絵画パブリックコレクション│文化庁、上野の森美術館、倉吉博物館、株式会社ビデオリサーチ著書│『ぼくの家ができる』(共著、福音館書店)、『色と構図』(共著、グラフィック社)、『造形基礎』、『絵 画:アートとは 何 か』、『絵 画:素 材 技法』(ともに共著、武蔵野美術大学出版局)、『はこのなかみは』、『もりのひかり』、『かきごおり』(と2029年、本学は創立100周年を迎えます。本学は前身である帝国美術学校の創立以来、「真に人間的自由に達するような美術教育」「教養を有する美術家養成」という教育理念を掲げ、受け継いできました。教養とは知識を得ることではなく、本質的な問いを持ち続けることです。人間とは、世界とは、そして自身とは何者なのか─その手掛かりをつかむために、人、物、事、そして目に見えないモノとの対話を辛抱強く続けることです。言葉を超えて、言葉にならない声を聴く。対話とは、相手や対象に「憑依」し、そのものに「成る」ことで、自分とは異なる多様な視点やあり様を自らの身体に落とし込んでいくことと言えます。そして、それが自由への最初の一歩となるのです。本学の造形・教養教育には、その底流に自由を学ぶという精神が脈々と息づいています。みんなの中にすでに備わっている「人間的自由」を浮上させ出会うために、「つくる」ことを通して、人間が「いきる」ことに根差した学びを大切にしています。そこから顕れてくる自由や創造性は、あなたが将来どんな道に進もうとも、生涯にわたって自らの人生を切り開く支えとなるはずです。この大きな節目の年に向けて、私たちは大学の歩みを振り返り、未来へとつなぐためのさまざまな事業に着手していきます。世界では今、従来の常識や価値観を根底から揺るがすような出来事が続いています。宗教や人種、民族、文化、言語などが違っても、美術でつながり、連帯し、共創し合える世界をつくっていくことも、美術で未来をつくる美術大学として本学が担うべき使命です。これから「ムサビ生」となるみんなと共に、こうした理想に向かって歩みを進めたいと思っています。ぜひ武蔵野美術大学という生命体の中で、一人ひとりが情熱を燃やし、創造を通じて顕れる自由を掴み取ってください。みんな、がんばれ!1958年 福岡県北九州生まれ1983年 武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業1985年 武蔵野美術大学大学院修士課程造形研究科美術専攻油絵コース修了1985年 武蔵野美術大学造形学部油絵学科 助手1990年 武蔵野美術大学短期大学部通信教育部 非常勤講師1992年 武蔵野美術大学造形学部油絵学科 非常勤講師2002年 武蔵野美術大学造形学部通信教育課程 非常勤講師2009年 武蔵野美術大学造形学部油絵学科 教授(現在に至る)2019年 武蔵野美術大学造形学部 学部長、大学院造形研究科委員会 委員長就任2019年 学校法人武蔵野美術大学 評議員(現在に至る)2023年 武蔵野美術大学 学長就任037036本質的な問いと、対話を続け、あなたの中から顕れてくる「人間的自由」をつかんでほしい。

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