武蔵野美術大学 大学案内 2025
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クリエイティブイノベーション学科 I IICREATVENNOVATON先入観や思い込みを取り払って調査分析に臨む1年次開講2年次開講「行為」をテーマに創造的思考力を養う情報を整理して伝えるデザイン的思考をつかめた池本真里さん│2年CI学科を特徴づけるイノベーティブな演習サービスデザインのアプローチを実践的に学ぶクリエイティブヒューマンバリュー演習3・4年次開講新しい体験価値を提供するカフェの提案に取り組みながら、「使いやすい」「気持ちの良い」サービスやプロダクトのデザインアプローチを学ぶ演習で、ワークショップ形式のグループワークで授業は進みます。私たちは人がカフェに行く理由の深堀りからユーザーに求められるカフェの仮説を立て、実際のユーザーの行動やカフェの環境をリサーチし、コンセプトやサービス秋吉慈人さん│3年アート・デザイン思考を軸にした学びの提案クリエイティブイノベーション演習Ⅰ・Ⅱ3・4年次開講中本八尋さん│3年独自に制作したカメラと、自宅に設置した画像生成AIサーバーが接続され、それらによって生成された画像がスマホに転送される仕組みです。制作では市ヶ谷キャンパスの工房を活用しました。画像生成AIや電子工作を初めて用いて、何気なく接していた電子機器の機能を垣間見れたりと、デザインの視野が広がりました。産学プロジェクト実践演習Ⅰ・Ⅱ地方行政や企業の方、大学院生と連携しながらプロジェクトを行う実践的な演習です。「学びのデザインプロジェクト」では、子どもたちにアート・デザイン思考を軸とした「新しい学び」を提案することを目的に、プロジェクト前半は東京で企画立案や演劇ワークショップを行い、後半は北海道・岩見沢で共同生活しながら、現地のスポーツクラブや小学校の協力の下、ワークショップを実践しました。実践を通して、子どもと同じ目線に立ち、彼ら以上の熱量で臨むことの大切さを実感しました。このプロジェクトは、教育企画のパッケージ化が将来的な目標です。同じメンバーで再び北海道に行く話も出ているので、さらなるブラッシュアップを重ねていきたいです。3・4年次開講造形構想基礎実習Ⅲ(行為の実験)園田実咲さん│1年フィールドリサーチ演習Ⅰ・Ⅱ1・2年次開講基礎課程の2年間をかけて、新しいサービスやプロダクトを構想するために欠かせない調査分析方法や、企画提案の方法を学びます。1年次は数値を基にした量的調査の方法を学び、2年次はIPAやSCAT分析などの質的調査の方法を学び、その調査方法を用いて、各自の興味に基づく新たな提案を行いました。造形演習Ⅱ(ビジュアルコミュニケーション)097専任教員長谷川敦士教授[主任]サービスデザインUXデザインインフォメーションアーキテクチャ荒川歩教授心理学井口博美教授デザインマネジメントデザインサーベイマーケティング岩嵜博論教授ストラテジックデザインビジネスデザイン丸山幸伸教授ビジョンデザインサービスデザインプロダクトデザイン若杉浩一教授デザイン製品企画製品開発石川卓磨准教授現代美術美術批評表象文化論客員教授・准教授高濱正伸客員教授自立できる人間を育成するための教育全般の研究と実践西村真里子客員教授スタートアップアート思考テクノロジー×クリエイティブ石井挙之客員准教授グラフィックデザインナラティブデザインアクションリサーチ自分ではない何かに成り代わり、その対象の行動や意識、感覚などの「行為」から作品をつくる課題。『悪夢集』は身近なモノに成り代わり、それが見る悪夢を写真で表現した。大小23点の写真プリントとA5サイズの冊子で発表私のテーマは友人関係を効果的に築く方法です。CI学科の学生へのインタビュー結果と考察を基に、初めて声をかけるときのタイミングや会話の話題、話しかけるときの態度などを提案しました。先入観や思い込みを取り払って話を聴く、分析や解釈を慎重に行うなど、今回の調査で心がけたことを、専門課程で取り組むプロジェクトにも生かしていきたいです。富永陽向さん│2年A2サイズのパネル2点で発表した『私は頭上を取り巻くこの渦に常にイライラしている』。ある1日をインフォグラフィック化したカラー面には自身のピクトグラムや1日のダイヤグラムをレイアウト。モノクロ面にはライナーノーツを模した解説を展開した創造的思考や表現力を養うため、「行為の実験」をテーマに4クラスに分かれて行う実習で、私のクラスは「成り代わり」が課題のテーマでした。私は、感情や意識がないはずのモノが見る悪夢を写真で表現し、展示発表ではモノたちのインタビューも冊子にまとめました。CI学科では、1年次始めにスケッチブックを1人1冊用意し、日々の気付きやアイデアを記録することを勧められます。私は自分の好きな世界観をイラストで可視化し続けていたので、その甲斐あってか、今回はイラストを描くように楽しく制作できました。入学当初は先生の評価にとらわれ過ぎていましたが、今後も自分の「好き」を軸に、楽しく思考力や技術を伸ばしていきたいです。自分自身のピクトグラムを制作する課題や、自分の1日をインフォグラフィック化する課題を通して、グラフィックデザインの考え方や技術を学びました。これは授業の最後で展示発表するにあたって、テーマやコンセプトをパネル上に編集デザインしたものです。テーマは「1日の苛立ち」で、レコード盤の溝は私自身の日常への苛立ちを表現しています。パンク、90年代カルチャーなど自分が好きな要素を取り入れ、楽しんで制作できました。先生との面談も刺激的で、文章の組み方やフォントの選び方1つで伝わり方が変わることを実感し、情報を整理して伝えるデザイン的な思考をつかめた実感があります。この授業以前、以後で課題との向き合い方が変わりました。『友人関係を築く際の接し方』(論文)。大学入学後に出会ってから友人関係になった経緯について、2人の学生に半構造化インタビューを実施。回答をSCATを用いて分析し、友人関係を築く際の接し方や周りの環境を考察した専任教員から入れ替わり立ち替わりフィードバックをもらいながらプロトタイピングを進める、CI学科を特徴づける演習です。課題のテーマは「市ヶ谷」。私の提案は、どんな風景を撮影しても「富山っぽく」なるAIカメラで、人口の東京一極集中や高齢化で故郷の風景が失われつつある中、東京と地方をつなげるような面白いプロダクトができたらと思って制作しました。緒方琴美さん│3年内容を固めていきました。『交差するカフェ』のコンセプトは、べたつかない人間関係で、通り過ぎるように豊かさの交換ができるカフェです。専門課程に進んでからサービスデザインに関する初めての実践的な授業で、日常に余白をつくる体験の創造に興味がある自分にとって、多くの気付きがありました。『じぶん研究ラボ』『あそび改造ラボ』『ひらめきクラフトラボ』の3つのワークショップを企画し、北海道・岩見沢で実践。3週間現地で共同生活をし、ワークショップ後は反省会を徹底して企画の改善に努めた。写真は『じぶん研究ラボ』の様子「べたつかない人間関係で豊かさの交換」ができる『交差するカフェ』。店員からのコミュニケーション、待ち時間や利用時間に人とのつながりを感じられるプロダクト、ライトなつながりを促すルールなどを設定し、プレゼンテーションでは演劇を取り入れてサービス内容を発表した数十枚の富山の風景写真を読み込ませて画像生成AIのファインチューニングを行うことで、東京の風景を撮影しても富山駅近くのビルや富山城の石垣など「富山っぽい」風景写真が生成される『Ichigaya Toyama Camera』。ハードウエアはRaspberry Piやカメラセンサーで自作した

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