武蔵野美術大学 大学案内 2025
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2年次開講1年次開講芸術文化学科, II ARTCULTUREANDDESGNSTUDES芸術文化学入門芸文の専任教員全員が代わる代わる授業を担当し、座学や実際に手を動かしてものづくりをする中で、芸術文化と社会をつなぐ芸術文化学を体験する入門的な授業です。模写の授業では、アルベルト・ジャコメッティとジャクソン・ポロックの作品を観察し、目に見えたタッチの特性を自らの手を動かして体験しました。筆の持ち方や力の入れ方、角度などを真似ようプランニング入門・実践鈴木一生さん│1年1年次開講プロジェクトに携わる面白さに目を向ける機会に武藤そらのさん│1年学内外の人と協働しアーツプロジェクトの実際を学ぶ1〜3年次開講手を動かしながら造形表現のエッセンスを体得する事業運営や管理の基礎をグループワークで学ぶ2年次開講造形基礎ピレーションを描く課題で、作品から感じた色の力強さを、自分なりの空気感で表現しました。ひと月という短い期間でさまざまな課題に挑戦できたことで、作品制作への苦手意識がなくなり、手を動かしてものをつくることが楽しく思えるようになりました。芸文の学びを深めるためにも、もっとたくさんの経験を積んでいきたいです。座学とは異なる知見を得られる学芸員実習ミュゼオロジー実習4年次開講ですから、美術を超えた幅広い視点を持つ機会になり、学びが多かったです。4年次になるとムサビの美術館や民俗資料室で「実務実習」と「館園実習」を行いました。美術品輸送や展示設営の専門家の講義から、収蔵品の調書の取り方や整理・保存方法の実習、展示計画の立案まで、座学とは異なる深い知見を得られました。芸術文化学を体験する芸文生の「最初の砦」立体│ネットH100×W150×D150mmドローイング│水彩絵具H297×W210mm受験生のニーズに応えるワークショップを企画した入門編の企画書(上2枚)と、多摩六都科学館の戦略提案を行った実践編の企画書(下2枚)089専任教員是枝開教授[主任]絵画立体造形造形演習近・現代美術杉浦幸子教授美術館教育鑑賞教育ミュゼオロジーアートプロジェクトデザイン&マネジメント春原史寛教授近代日本美術史博物館学美術教育ポップカルチャー研究米徳信一教授映像デザイン映像文化研究ヴィジュアルコミュニケーションデザイン映像技法研究古賀稔章准教授タイポグラフィデザイン論メディアの批評的実践視覚文化研究佐々木一晋准教授空間デザイン空間芸術研究地域文化研究デザイン方法論客員教授林家たい平伝統芸能表象文化模写│鉛筆H297×W210mm(2点)社会に出て、自分がやりたいプロジェクトや事業を実現するためにどんな企画を組み、どんなチームで動くのか。マーケティングや広報、予算管理なども含めて、企画を行うために必要な基礎知識を習得する授業です。入門、実践と、段階的に進められる授業を通して、企画書作成からプレゼンテーションのスキルも身につけられます。としても、どのように描いたのかわからないパターンがあり、作品や制作背景を深く理解するためには、普段から自分でも新たな描き方を模索する必要性を感じました。論文やレポートの執筆技術を学ぶ課題にも取り組むため、論文を執筆する機会が多い芸文生にとって「最初の砦」とも言える大切な授業です。私自身、アーティストコレクティブやスタートアップに参加しているので、現役のプランナーをゲスト講師に招き、リアルな体験談を伺える機会があるのもとてもタメになりました。芸文には制作志向の学生もいますが、プロジェクトを企画、推進していくことの面白さに目を向けるきっかけにもなる授業だと思います。アーツプロジェクトさまざまな人と連携しながらアートマネジメントを実践的に学ぶ芸文ならではの授業で、毎年、複数のプロジェクトが同時進行しています。今回私が参加したのは、国分寺市の魅力を伝えるフォトプロジェクト。市からの依頼を基に学生同士で話し合いながら企画を固め、2期に分けてそれぞれ別のコンセプトの写真展を開きました。広報企画と運営班を担当しましたが、3年生のメンバーは私1人で、役割を果たすことができるのか正直不安でした。ただ、1年次から毎年アーツプロジェクトに参加していた経験が生きて、芸文生や外部の関係者の方々とも良い人間関係を築きながら、プロジェクトを進められたと思います。この経験をより確かなものにしていくことが今後の目標です。ユン ソンジュンさん│3年幼馴染と2泊3日の北陸信越観光旅行を提案した入門編の企画書(左2枚)と、ホタルイカを捕りに来る人々の宿泊施設をつくる実践編の企画書(右2枚)国分寺市の関連施設で開催した「cocobunjiフォトプロジェクト」。株式会社シグマの特別協力で同社のカメラを使った作品展示や、全盲の美術鑑賞者の作品を作者と共にキュレーションして展示。親子を対象に写真コラージュのワークショップも行ったさまざまな造形表現に共通するエッセンスを実技を通して学ぶ授業で、調色、模写、立体など、7つの課題に取り組みます。今回持ってきた立体作品は、網戸用のネットで回転体をつくる課題で制作したもの。気持ち悪い造形をつくってみたくて、開閉できるところがポイントです。ドローイングは、里見勝蔵の「花のある静物」から受けたインス筒井陽奈子さん│2年マネジメント入門・実践内藤俊樹さん│2年事業の運営や管理といったマネジメントの基本的な知識を学ぶ授業です。入門編では芸文の学びを知ってもらうオープンキャンパス企画をグループワークで立案しながら、マネジメントの基本や目標達成のためのPDCAサイクル、プロジェクトの現状分析や戦略検討に必要なSWOT分析の方法などを学びました。私たちの提案は、名画の魅力を引き出すオリジナルの額縁をつくるワークショップで、芸術文化と社会をつなぐ、つなぎ手としての創作活動を体験してもらうことが目的です。実践編では多摩六都科学館の戦略提案をグループで行っています。実際に科学館に足を運び、事業計画書なども参考にしながら、説得力のある提案ができるように準備を進めているところです。学芸員を志す学生にとって4年間の総復習となる実習です。まず、3年次後期に学芸員の方々から実際の業務や館の運営方法についてお話を伺う「見学実習」があり、私たちの代は東京都庭園美術館と国立科学博物館附属自然教育園を見学しました。美術品や文化財に限らず、動植物や自然史資料などの収集・保管や調査研究、教育活動もミュゼオロジーの範疇伊藤なつみさん│4年武蔵野大学美術館・図書館で実施した実務・館園実習の様子。収蔵品の清掃や調書作成、近代椅子コレクションを活用した展示計画の立案などにもグループワークで取り組んだ

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