武蔵野美術大学 大学案内 2025
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油絵学科グラフィックアーツ専攻 III / PANTNGGRAPHCARTSCOURSE『ねぇ、おにんぎょうさん』リトグラフ(石版)布、リトインク、アクリル絵具、いずみ、NTラシャH145×W200×D10mm『めまぐるしい』写真製版によるリトグラフ紙にインクH594×W841mm(4点)さまざまな表現の学びに大きく影響されている絵画基礎Ⅱ自由制作のコンクール課題で、心が動くとき自分がイメージしている言葉にならない情景をかたちにすることを試みました。GA専攻では、各版種からブックアートや油絵専攻の授業まで、さまざまな表現アプローチを学ぶ機会が豊富にあり、その経験がかなり大きく影響している作品です。粘土で立体をつくって撮影、加工し、写真製版で刷っています。1年次開講自分なりのプロセスでコラージュを実践できた長田彩さん│1年版画実習Ⅳ3年次開講山崎美和子さん│3年手に取ったりめくったりできる絵本の面白さ4年間の集大成だから私ならではの作品に4年次開講版画実習Ⅴ3年次開講『日常の再構築』コラージュクレパス、鉛筆、コピー用紙H297×W210mm、H210×W297mm『garden』銅版画ハーネミューレ紙にインクH315mm×W225mm061専任教員 遠藤竜太教授[主任]平版による表現いとう瞳教授イラストレーションブックアート高浜利也教授版画インスタレーション等による複合表現元田久治教授版画絵画客員教授 緒賀岳志イラストレーションコンセプトアート亀山達矢絵本イラストレーション一度完成された作品を分解し、再構築することで表現の幅や可能性を探るという課題で、日常の景色をどこか既視感を残したまま、何だかいつもと違う景色を自分で描いたものをモノクロ印刷し、コラージュで表現しました。初めてのコラージュで、自由に描き足せないところが大変でしたが、とりあえず描きたいものを描いてからパズルのように「こうしたら面白いかな?」と切り貼りしていきました。大学生になって寮暮らしを始め、日々のものに目を向けるようになったことをテーマにしています。自分の絵に本気で向き合うようになってからまだ日が浅いので、いろいろな方法を試してみようと、それぞれ違うアプローチで制作しました。すでにある手法だとしても、それを自分なりに見つけて実践できたことに手応えがありました。印象的な見せ方ができるように、今できる限り大きなサイズで刷るという目標は達成できましたが、紙を継ぎ合わせる作業に慣れておらず、刷りの仕上がりが安定しないなど、技術的な課題も見えてきました。卒業制作に向けて、ここからどう表現を発展させていくかという新たな目標ができました。自主制作の授業で絵本を制作しました。この授業の前のコンクール課題でA3サイズの絵本をつくり、本づくりの面白さに目覚めたことがきっかけです。お話は、私が子どもの頃によく遊んでいたお人形目線で見ると、子どもの残酷さが何だか現れ伊藤万彩さん│3年版画実習Ⅷ学生、教員、研究室のスタッフ、とGA専攻に関わる全員の作品を1冊の版画集にまとめる恒例の授業で制作しました。集大成という印象があったので、自分だけでなく友人たちがいままで育ててきた知識や技術が集まる庭として、これからも新しい知識や技術を育て続けていくというメッセージを込めています。必要な制作部数は40枚ほど。10枚以上刷るのは初めてのことで大変でしたが、版画集として4年間一緒に過ごしてきた人の手元に残り続けるわけですから、「私といったらこれ」という作品にしたくて、1年生のときから続けてきたマンガ的表現と雁皮刷りを用いました。絵の中の吹き出しには台詞を入れず、見る人それぞれに物語を感じてほしいと思っています。てくるという内容。研磨の仕方によって描画時の滑らかさが変わる石版に魅力を感じ、全ページを石版で刷って手製本しました。インクで手が汚れてしまうことも考慮して、作品をスキャンしてデジタル出力した冊子も作成しました。板垣美月さん│4年版画作品は鑑賞者との距離感がある気がしますが、絵本は手に取ったりめくったりすることでその距離感がなくなるようで、面白さを感じています。今後は製本の経験も積んでいきたいです。

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