武蔵野美術大学 大学案内 2024
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建築学科 IARCHTECTURE小濱みちるさん│2年公私をグラデーショナルにつなげる集合住宅の提案大きな屋根の下に3層の空間がゆるやかに共存する設計計画Ⅱ-1(小規模集合住居)2年次開講設計計画Ⅱ-1(小平小川町の住宅)2年次開講目時誠太郎さん│2年姶良壮志さん│4年現代社会から少し距離が取れる「日常のうらがわ」をつくる建物内部に自然の気配を感じる体育施設の提案吉村優里さん│3年設計計画Ⅲ-1(高橋スタジオ)3年次開講設計課題Ⅳ(持田スタジオ)4年次開講『軒下の住宅』スチレンボード、紙、バルサH300×W300×D500mm『Nakano Huts』スチレンボード、スノーマット、バルサ材H200×W400×D400mm『pondside』石膏、スチレンボード、段ボールH200×W900×D900mm『日常のうらがわを』スチレンボード、スノーマット、他H900×W700×D900mm 087専任教員小西泰孝教授[主任]建築構造学構造設計菊地宏教授建築デザイン鈴木明教授建築デザイン建築理論ワークショップ高橋晶子教授建築デザイン長谷川浩己教授ランドスケープ・アーキテクチュア布施茂教授建築設計建築デザイン持田正憲教授設備設計建築環境デザイン小松宏誠准教授建築美術空間表現客員教授大島芳彦建築設計コミュニティーデザイン地域創生永山祐子建築設計―どんな授業・課題でしたか?6世帯以上の小規模集合住居を設計する課題で、「common」を表現することも条件でした。敷地の中野区は建物が無秩序にひしめき合い、車通りも多い緊張感のあるエリアです。これまでの課題と違い、法規の面でも周囲を配慮する意識を持ちながら制作を進めました。―今回の提案について教えてください。プライベートとパブリックをグラデーショナルにつなげる柔らかいコモンスペースを目標に、方向性―どんな授業・課題でしたか?ムサビ周辺の住宅地に、4人家族の住宅を設計する課題です。住宅地でありながら畑もある場所性や、地域との関わり合い方も問われました。―今回の提案について教えてください。隣接する畑を市民農園にして、住宅内に地域の人が自由に行き来できる農作物の販売所や調理スペースを設けるなど、大きな屋根の下にプライベートとパブリックスペースが共存する住宅の提案です。寝室や子ども部屋以外のリビングやダイニングのような開放的な空間は、ガラス張りにして外部と切り分けず、3層のゆるやかなグラデーションをつくりました。悩んだのは軒の長さ。周囲との距離感を出を固定せずに住戸を配置して■間を多方向につくり、住宅周辺との親和性を高めました。また、高さの異なる外廊下を複数設けて、身体的距離感を保ちつつも視覚的距離は近い、プライベートをかすかに感じるパブリックな空間を提案しました。中央の広場には本屋の機能を持たせ、自由度の高い空間で人々の行動を促すような、かすかな軸もつくっています。設計計画は全員が同じ条件で制作し、同じ指標で評価されます。ハードな課題ばかりですが、だからこそ頑張れます。しつつ、開放感もある空間にしたかったので、先生からアドバイスをもらいながら検討を重ねました。2年次の設計計画は住宅、集合住宅、駅舎、セミナーハウスと、課題の規模が段階的に大きくなります。建築やそれ以外の分野にも目を向けながら、いろんな知識を吸収していきたいです。―どんな授業・課題でしたか?大田区の洗足池周辺に、快適な内部空間を設計する課題です。私の提案は、池のほとりにある微妙な傾斜を使った体育施設です。周囲に圧迫感を与えないように施設のボリュームの半分は地下に埋め、池から1年中吹いてくる風や、年中温度が一定な地中熱を利用して、建物の内部全体に外気が循環し、―どんな授業・課題でしたか?3年次の設計計画は各スタジオに分かれ、より高度で抽象的な課題が多く出題されます。前期の高橋スタジオでは、「グラデーショナル」という言葉からコンセプトを考える第一課題を経て、指定された敷地に自由に建物を設計する第二課題に取り組みました。―今回の提案について教えてください。情報過多の現代社会から少し距離を取れるような「日常のうらがわ」をつくれないかと考え、昔の日池の気配を感じながら市民が利用できるように設計しました。太陽や風といった自然のエネルギーをどう使うかが問われる、これまで挑戦したことのない課題だったからこそ、建材の選択や各部分の形状などを細かく検討でき、すべてに根拠のある説明ができる状態にできたことは収穫でした。―4年間を振り返ると?本家屋のような「暗い建築」をイメージした4階建ての建物です。大きな屋根をかぶせ、横からの採光にすることで明暗のグラデーションをつくり、住宅や専門店としても活用できる屋根裏スペースをたくさん設けました。内部空間がわかりづらいと講評で指摘されたので断面模型も制作し、全学年の選抜作品を発表するパーティカルレビューや学外のコンペでは賞もいただけました。これからも山ほど課題があるので気を抜かず、課題以外の自主制作にも力を入れていきたいです。なぜ建築物をつくるのか、建築はこれからどうなっていくべきかという根本的なことを、友人とよく話し合っていました。それは他大学の建築学科の学生も同じかもしれませんが、意匠と理論をいかにうまく合致させていくかを追求できる環境が、ムサビの建築だと思います。

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