視覚伝達デザイン学科 III IVSUALCOMMUNCATONDESGN『Kingyo Media Database』PHPによるプログラミングメディアは目的ではなく手段だと身をもって実感できた神川美礼さん│1年構成演習2年次開講悩む前にまず手を動かす。そこから思考することの大切さ色彩構成Ⅰ・空間構成11年次開講鎌形春花さん│2年伯耆原朋夏さん│3年ライティングスペースデザイン3年次開講金魚というメディアに人々が託してきた情報を分析する個人制作では見えてこない発見がたくさんできたワークショップリョン ジョーセンさん│3年環境デザイン3年次開講『終わりを探す旅』コピー用紙、インクジェット印刷H297×W210×D5mm『生ハム記録漫画』マンガ│アラベールスノーホワイト(本文用紙)、OHPフィルム、トレーシングペーパーH230×W150mm、H260×W150mm075専任教員寺山祐策教授[主任]ヴィジュアルコミュニケーションデザイン視覚言語石塚英樹教授色彩・コンピュータ北崎允子教授インタラクションデザインデザイン方法論キュー・ジュリヤ教授SDGsデザインクリエイティブ・シティ齋藤啓子教授環境デザインワークショップデザイン沢田耕一教授クリエイティブディレクションアートディレクション白井敬尚教授エディトリアルデザインタイポグラフィグラフィックデザイン中野豪雄教授グラフィックデザインヴィジュアライゼーション古堅真彦教授アルゴリズミックデザイン視覚伝達デザイン大田暁雄准教授デザインとプログラミングヴィジュアライゼーション後藤映則准教授映像表現/アートワーク客員教授 荒俣宏博物館を含むヴィジュアルコミュニケーションに関する幅広い分野中島信也TV映像/CM演出/CM表現森本千絵広告デザインとコミュニケーションデザイン―どんな授業・課題でしたか?「線との対話」として、墨を使って自分の力で線を引くところから始まります。そのあとは自分の手を離れて、自然の力やいろんな行為によって線を描き、そこから好きな部分を切り取って蛇腹状の冊子に再構築しました。私は考えてしまう性格で、何もできない時間があったのですが、悩む前にまずは手を動かすこと、そこで生まれてきたものを思考することの大切さを感じられた授業です。―制作した作品について教えてください。―どんな授業・課題でしたか?自分が思ったことを人に伝わるかたちにするためにはどうすればいいのか。作品づくりで一番大切な姿勢を学べる授業でした。料理を選んでリサーチをして、そこで得た発見をふさわしいメディアで表現します。―制作した作品について教えてください。生ハムをテーマにした学習マンガです。イタリアのプロシュートと日本のラックスハムは、見た目も味わいも全然違います。その理由が製造工程にあると知った私自身のエピソードを導入にして、製造方法を描き分けました。見た目や厚みの違いも再現したくて、スキャンした生ハムを透明なフィルムに何枚も印刷したページも設けました。それぞれの特徴が視覚的にわかりやすく表現できたと思います。マンガを描くのは初めてで、毎週先生にネームを見てもらう新人作家のような心境でした。絵を描く以前の情報の編集や構成の大切さや、マンガのメディア性、メディアは目的ではなく手段であることを身をもって実感できた課題です。点の集合である一本の線の「終わり」に向けた小さな旅がコンセプトです。制作中に気付いたのが、1年生の間に目標とするべきは、かっこいいものを提出することではなく、それができるためのからだを養うということ。この後に続く課題も、問われるのは制作過程でどんな考察に至ったのかであって、他人とは違う結果を出すことが重視された受験時とは異なります。ものを視る眼は確実に変わってきました。『ちいさな夏休み「MUSA美術館〜動き出すアートたち〜」』ワークショップ―どんな授業・課題でしたか?興味があるテーマをひたすらリサーチして、最適なメディアで表現する授業です。―制作した作品について教えてください。自然界には存在せず、人々の美意識を反映しながら作出されてきた金魚を「遺伝子を介して人間の価値観が集積されたメディア」と解釈し、金魚というメディアにどんな情報を託してきたのかを分析できるデータベースです。はじめはチャートで表現しようと考えていましたが、先生の助言を参考に、リサーチで得られた情報が複雑だからこそ、シンプルかつ丁寧に並べていくだけでも面白いものが見えてくると考えました。アウトプットが力の見せ所だと思っていたけれど、無理やりこねくり回す必要はないと気付けたことが大きな発見です。視デにはこの授業のように、じっくり腰を据えて納得がいくまでリサーチするⅠ群の授業があれば、視覚的な面白さや精度の高さが問われるようなⅡ群の授業もあり、授業への向き合い方も変わります。それが魅力だと感じています。―どんな授業・課題でしたか?子ども向けのワークショップを企画する視デの恒例授業です。周りの人やコミュニティとの対話を通して、個人制作という自分との対話では見えてこない発見が、たくさんできる授業でした。―ワークショップの内容を教えてください。子どもが楽しみながら美術に親しめるように、9号館地下展示室を「MUSA美術館」にして、ゲームやものづくりをしながら、勝手に動き出してしまった名画や彫刻のキャラクターをもとの場所に戻すというストーリーです。脚本、空間構成、広報のチームに分かれて準備を進め、私は額縁や美術館の外観づくりを担当し、ロダンの『考える人』にも扮しました。留学生の自分がどう見られるか心配でしたが、みんなは遊ぶことに夢中で、準備は大変だったけれどたくさんの笑顔に救われました。「たった2日間でも子どもたちには未来への大きなつながりができたかもしれない」という言葉を先生からいただき、社会の一員としての責任感もさらに感じました。
元のページ ../index.html#39