※体外式膜型人工肺、extracorporeal membrane oxygenationの略 「臨床経験豊富な先生の指導のもと研究活動や論文執筆を行いながら潤沢な機材で実習ができたおかげで、就職後現場で戸惑うことがなかった」と話す白井さん。現在は人工心肺装置など体外循環のスペシャリストとして病院で働きながら、臨床から得た知見をもとに、大学院でエクモ※の可能性について研究している。「12年間、医療現場でつちかったことを活かし、学びを深めたい」と進学を決め、大学時代の恩師である福長一義教授の指導のもと博士号取得をめざしている。 「就職を決める際、周りから『忙しい病院だ』と心配されましたが、臨床経験を積みたい一心で選びました。ここまで続けられたのは、福長先生の影響が大きい」と白井さん。研究熱心でありながらオフをしっかり楽しむ姿に、仕事、大学院そしてプライベートのバランスの取り方を学んだ。 「研究室選びは重要です。臨床工学技士でいえば、あらゆる機器を扱えるゼネラリストから体外循環、呼吸器、透析のスペシャリストなど多様です。各先生の専門を調べておき、自分の将来を考えて研究室を選ぶとより学びが深まると思います。杏林は、資格取得の先を見すえた学びができる場所だと思います」医療法人徳洲会 千葉西総合病院 臨床工学技士白井千尋さん 保健学部臨床工学科 2011年卒業 「入院患者さんが安心して療養生活を送れることと、患者さんやご家族と信頼関係を築くことを心がけています。治療に消極的で内服や検査を拒否していた患者さんが、何度かお話しするうちに前向きに治療に取り組めるようになった時はほっとしました」と実体験を語る山田さん。 学生時代、授業や実習、友人との時間など大学でのすべての時間が楽しく、その一つひとつが思い出になっているという。「実習では自主的な行動が求められる厳しい面もありますが、それをサポートしてくれる環境がありました。自ら課題に取り組む力がつき、入職してからも自主的に動くことができていると感じています」と振り返る。医学部付属病院での実習では、患者の全身状態の管理から、看護記録の作成、家族への健康指導の補助などを行った。看護師の仕事は医療にとどまらず、介護・福祉などさまざまな分野にかかわりをもつ多様性に満ちた職業であることを実感。 「臨床の現場では、早く先輩たちのように、広い視野で臨機応変に動けるようになりたいと思います。看護師にはさまざまな能力が求められますが、個性を活かして働くことも大切で、誰もが活躍できる仕事だと思います」臨床と研究。杏林は学ぶ意欲を満たしてくれる学びをカタチに、より自分らしい自立した看護師へGUIDEBOOK 202641FACULTY OF HEALTH SCIENCES杏林大学医学部付属病院 病棟看護師山田愛美さん 保健学部 看護学科看護学専攻 2022年卒業卒業生が選んだ道CAREER PATHS
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