駒澤大学 Scoop campus side 2025
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高校の公民科目の授業で「尊属殺重罰規定違憲判決」を学びました。最高裁判所が法令違憲の判決を下し、弁護士の働きもあって刑法200条の削除が決まった事件です。この事件を知った私は、弁護士に憧れを抱き、法学部への進学を考え始めました。実家が自営業だったこともあり、法律面から企業の手助けになれるような弁護士になりたいと思いました。法律学科では1年次から基本的な民法・            本語と意味が違い、法律用語ならではの意憲法・刑法を学びますが、授業の際に「英語を学ぶように学びなさい」と言われたことを覚えています。尊属殺人や契約不適合のように、日常では出てこない単語が多いですし、知らないことを「善意」、知っていることを「悪意」というように通常使っている日味があるからです。覚えることは多いですが、実際の事案からどのように法律論を生み解決に導くのかという流れ自体に面白さを感じ、勉強自体は苦ではありませんでしたので、授業がなくても大学に来て図書館で自習をしていました。民法は実際の生活の中でも使うことが多いですし、司法試験での出題範囲も広く、条文も多いのでなるべく学ぶ時間がほしいと思い、3年次からは熊谷芝青先生の民法のゼミに入りました。ゼミでは「判例百選」を読み、4年生の先輩とペアになってグループ発表を行いましたが、その時の先輩が本当に熱心な方で、判例の読み込み方と、要件事実からどのように原告の主張を展開していくか、参考文献など具体的に教えていただきました。私が数ある法科大学院の中から上智大学法科大学院に進学を決めたのも、その先輩の進学先であったことが大きな理由です。ゼミでの授業内容は非常に実践的でした。要件事実の考え方や使用していた参考書は、司法試験の際にも使いましたし、2024年の3月から行う司法修習でも、受験以上に要件事実という概念が必要になるかと思います。熊谷先生のゼミの学生は弁護士志望の方が多く、法律を通して志を同じにする多くの先輩や同期と出会えました。学ぶためのモチベーションも上がりましたし、一人だと、やらなければならないことや優先順位を見失っていたかもしれません。目標に向かって一緒に頑張る仲間との出会いは、学部だから得られるものだと思います。その繋がりは今でも私の中で大きいです。私が法学部を志望した理由は、高校生の頃からニュース番組で報道される事件に関心があり、なんとなく社会のルールやしくみを知っておきたいから、という非常にぼんやりとしたものであり、入学当初は司法試験のことなどは全く考えていませんでした。学部の勉強を面白く感じていた3年次の夏頃、ロースクール入試の過去問を解いて答案の添削をしていただき、解説講義もしていただけるという、法学研究所※の講座を知り受講しました。学部の成績を上げたい、という気持ちからでしたが、その講座の先生から司法試験の受験をすすめられ、4年次から法学研究所に正式に入会しました。熊谷芝青先生のゼミでは、質疑応答の時間に、先生に毎回しつこく質問してしまいましたが、私が納得するまで粘り強く付き合ってくださいました。毎年夏休みに行われるゼミ合宿では、『重要判例解説』(有斐閣)の判例を要件事実的にまとめ、分析しました。夜はカラオケやゲームをして楽しみ、勉強だけでなくゼミ生同士の仲も深まりました。また、サウンドアスレチックという軽音楽サークルに所属し、毎月ライブに出演してキーボードを弾いていました。オータムフェスティバルではサークルのみんなでわたあめの模擬店を出店し、売上1位に輝きました。法律の勉強ばかりではなく、充実した4年間を過ごすことができました。学部卒業後は、慶應義塾大学大学院法務研究科に進学しました。司法試験の合格率の高さが進学の大きな決め手でしたが、学生数が多いため、たくさんの優秀な友だちに出会えたこともよかったです。相対評価で合否が決まる司法試験を目指す上で、他の受験生のレベルを知ることは大事ですし、早くから四大事務所などへの就活を意識する人が多く、情報交換が盛んに行われていることも強みです。法律を知ると、世界を見る時の解像度が上がります。どんな道に進むとしても、法律はあなたの心強い武器となってくれるでしょう。法曹として取り組みたい分野についてはまだ模索中ですが、芸能人の人権や労働問題に興味があります。司法試験受験期に私の心を支えてくれた女性アイドルや音楽など、好きなものを守れる弁護士になりたいです。そのためには、目まぐるしく改正される法律を使いこなせるように、常に勉強し続け、自分をアップデートさせていかなければなりません。司法試験合格で終わらず、これからも進化し続ける法曹でありたいです。52数年ぶりの熊谷先生との再会。司法試験合格上智大学法科大学院 修了■田 こなつさんYoshida Konatsu法学部 法律学科2020(令和2)年3月 卒業▶P36で法学研究所を紹介しています。司法試験合格慶應義塾大学大学院 法務研究科 修了冨上 愛梨さんTogami Airi法学部 法律学科2020(令和2)年3月 卒業守りたいものを守れるように、常に勉強し続けてアップデートしていきたい。志を同じにする仲間と出会えたゼミ、学んだことは全て司法試験に活かされました。「 司法試験合格の夢をかなえた法学部での学び 」

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