駒澤大学 Scoop campus side 2025
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日本で生まれ、日本の小学校を卒業後、親の仕事の都合でバングラデシュで生活することになりました。将来は日本に戻ってビジネスに携わりたいと考え、ダッカ商業高校での経営分野の授業が面白かったこともあり、日本でもっと高度な経営学を学びたいと思いました。駒澤大学では、会計・マネジメント・マーケティング論と幅広く学びましたが、全て実践的で、ビジネスのフィールドで活かすことができると思います。大学時代の思い出で、2年次の夏休みに、課題の企業研究レポートを書いているうちに、調査することが楽しくなって数十枚提出したことがありました。頑張れば頑張った分、評価していただけるので、モチベーションも上がり、卒業まで努力し続けることができ、曹洞宗管長賞をいただきました。バングラデシュでは高校卒業後、日本語とベンガル語ができる点を生かし、通訳や日本語学校の先生をしていましたが、日本に戻ってからも、この分野での経験を深め、成長するために、NHKワールドジャパンのベンガル語サービスでアルバイトをし、翻訳チェックから編集作業まで、幅広い業務を大学4年間続けました。就職活動の際は、キャリアセンターに何度も相談に行きました。大手企業と迷いましたが、後々後悔はしたくなかったので、会社の規模ではなく、「両国の発展に貢献したい」という自身の目標を実現できるところはどこかを一番に考え、日本とバングラデシュ間のコーディネート、コンサルティング、日本語教育、人材サービス、NHKベンガル語放送の番組制作等、両国間で幅広い業務を行うKaicom社に就職しました。2017年創業の新しい会社なので、会社と共に自分も成長していきたいと考えています。現在は、NHKワールドジャパン・ベンガル語放送のプログラムディレクターとしての業務に加え、バングラデシュ人特定技能生及び技能実習生のサポート、日本語をベンガル語に翻訳した単語帳の制作なども行っています。最近は両国間での経済交流及び人的交流がより一層活性化し、友好関係も強化されてきています。それに伴い、様々な仕事の機会も増えると思いますので、経営だけでなく、幅広い知識を身につけていきたいです。グローバル化が進んでいますが、今後は英語圏だけでない国際関係の仕事が増えていくと予想されます。留学生に限らず、受験生のみなさんには、視野を広く持って、言語の習得だけでなく、在学中に「これだ!」と思えることを見つけ、とことん突き詰めていってほしいと思います。 今起こっている様々な社会問題を認識し、状況に応じて対策を考え、最良な選択ができるよう、社会で必要とされる知識や能力を身につけたいと思いました。経営学という幅広い学びの中から、自分の強みを見つけられるのではないかと考え、経営学科を目指しました。就職活動は3年次の5月頃から始めました。当初は人材業界を目指していましたが、国産メーカーのクルマに乗る機会があり、それまで運転に対して抱いていた恐怖心を払拭する乗り心地と安全性に感銘を受け、クルマに対する価値観が180度変わりました。そして、私のような人を増やしたい、このメーカーのクルマと関わる仕事をしたいという思いを抱き、年明け3月から志望業界を自動車業界に切り替えました。その後、憧れの自動車メーカーに関わる、内装部品や外装部品、産業機械用シートを製造している会社とご縁があり、現在は開発本部技術管理課という、9割が理系出身者の部署で品番管理などのサポート業務を行っています。大学では「経営学史」を学ぶ中川淳平先生のゼミに所属していました。「自動車業界の歴史」というテーマに取り組み、テイラーの化学的管理法、T型フォード生産方式、トヨタ生産方式という、現代の自動車業界で活かされている生産管理方式の変遷を研究できたことは、とても良い経験となりました。また、代表を努めた「A・C陸上競技同好会」でも様々な経験をすることができました。コロナ禍で活動停止するサークルも少なくない中、100人を超える部員のモチベーションを保ちつつ、安定して活動するために、練習場所の確保や制限がある中でのイベント企画などを行いました。ここでも、経営学科で学んだ「組織論」や「リーダーシップ論」が、少しでも活かされていたのではないかと思っています。 「憧れの自動車メーカーに関わる仕事がしたい」という夢を叶えましたが、今後も日々精進し、自分のできることを増やし、仕事の幅を広げていきたいと考えています。大学生活はかけがえのない有意義な時間でした。想像以上に色々な経験ができますし、目標がまだ明確でない人でも、きっとやりたいことが見つかります。自分がどれだけ成長できるか、楽しみながら4年間を過ごしてほしいと思います。  「A・C陸上競技同好会」での小野さん。首席で卒業し、総代として学長から学位記を受け取った。大学在学中にバングラデシュ代表の選手として2023年西アジア野球大会参加。          51株式会社Kaicom所属(NHK WORLD-JAPANベンガル語サービスプログラムディレクター担当)ザキール イブネさんZAKIR IBNA経営学部 経営学科2023(令和5)年3月 卒業しげる工業株式会社小野 将弘さんOno Masahiro経営学部 経営学科2023(令和5)年3月 卒業CAMPUS SIDE「大好きな自動車メーカーに関わりたい」夢を叶えた今、学科とサークルでの学びが活かされています。喜びと幸せに満ちた、よりよい世界のために日本とバングラデシュの架け橋に。

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