駒澤大学 大学案内 2026
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家族から国際社会まで、複雑な現代社会の仕組みを読み解く ■■■■■■■■                   LEETTTTEERRSS[ 2024年5月1日時点 ]少人数教育を通じて、懇切丁寧に指導基礎から応用まで体系的に無理なく学ぶアクティブ・ラーニングでの成長文学部社会のメカニズムや文化の縛りを社会学的思考法で明らかに片岡 栄美専門:文化社会学・社会階層論文化テイスト(好み)が社会の不平等と深く関わっていることが知られるようになったのは、1990年代以降、文化資本やハビトゥス(行為の生成原理で、行動や思考に無意識に影響を与えている心的構造)という概念が日本に紹介されてからです。テイストやハビトゥスが似ていると友人になりやすいですが、逆に違いが大きいと人を遠ざけることもあります。例えば自分の趣味は自由に選べると思いがちですが、調査から見えてくるのは、親の好みや文化実践、価値観などの多くが親から子へ相続され、社会的な影響も受ける傾向があることです。趣味だけではなく、人生の進路や結婚相手もそれほど自由に選択できているわけではありません。社会構造の中でどのような位置に生まれ育ったかということでも、人生は制約(縛り)を受けることを社会学は明らかにしてきました。家が裕福でないと将来に希望が持てないという嘆きは「親ガチャ」と言われ、とかく「自己責任」とも言われますが、うまくいかないこともハビトゥスや社会環境の問題です。自分でも無意識に選んでしまっていることに気がついていければ、「縛りや制約」を乗り超えて、人生をもっと自由に選び取れるのではないか。これらを社会学で解き明かしていくことで、世の中の理不尽なことにもどう向き合っていけばよいかということが見えてくると思います。社会学は自分を解放するために重要な学問です。複眼的なものの見方で、複雑な社会の仕組みを読み解く社会学的思考法は、今だからこそ身につけるべき教養の一つではないかと私は思います。卒業論文テーマ・研究課題例音楽聴取態度の違いとハビトゥスに関する研究Z世代の2次元オタクの意識外国人児童への教育と支援―神奈川県平塚市を事例としてなぜVTuberか―視聴者コメントとVTuber自身の言説から考えるロックスターはもう現れないのか―ドキュメント分析とメディアへの考察を通じてリアル□解きイベントによる「場」の活性化の可能性現代の友達親子の実態―新たな親子関係の誕生地方出身者の「就活」事情―なぜ地方出身の大学生は地元で就職しないのか■■ 総計/284人片岡先生の研究業績はこちらから■男子:101人■女子:183人(36%)(64%)1年次から4年次まで少人数の演習形式の授業を履修し、学びの多い関係性を築くことができます。2年次後期から4年次まで所属する専門のゼミでは、討論や共同作業、先生の丁寧な指導により、2年次は文献の輪読、3年次は社会調査の実施、4年次は卒業論文の作成を行います。 基礎から高度な内容までカリキュラムが体系的に配置され、社会学の多様な分野を学べるように配慮されています。豊富なカリキュラムを通して、社会の仕組みを幅広く学べるうえに、学生は各自の関心を自由に追究しながら、独自の研究を進めていくことができます。グループ・ディスカッションなどのアクティブ・ラーニングの手法に基づく科目やコンピュータ・スキルを習得する科目、社会の実態を学修するフィールドワークの科目が多数開講されています。これらの科目によって、能動的に自らの学びをデザインできます。78社会学科[社会学専攻]FACULTY OFL

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