駒澤大学 大学案内 2026
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モノ〟と対話し、人類の歴史を読み解く〝■■■■■ LEETTTTEERRSS[ 2024年5月1日時点 ]日本と世界の考古学をカバーする幅広い講義内容学んだ技術を海外・国内の発掘現場で実践考古学の専門知識を活かして、学芸員や調査員を目指す文学部既成概念にとらわれず、物質文化を通じて過去を学ぼう寺前 直人専門:日本考古学(旧石器〜弥生時代)弥生時代の始まりとともに稲作が伝播し、中国大陸や朝鮮半島からの技術・文化・思想が日本に広まり、社会に大きな変化をもたらしました。縄文時代の豊かな文化生活に米作りが加わり、定住人口の増加が起き、戦いが生まれるという、ある意味厳しい時代を迎えたと言えるかもしれません。環濠集落や高地性集落はこの時期から現れ、対人用の武器も伝えられました。弓は遠距離から攻撃するのに効率的な道具ですが、考古資料からは、弓は主に動物を狩るための道具と認識されていたことがわかります。争いを抑制するためのルールや社会システムが早期に存在していた可能性について、人類学や民俗学の知識や成果を援用し考察しています。教科書では、縄文時代は東日本、弥生時代や古墳時代は近畿や九州地方が中心とされがちですが、日本列島の地域差は大きく、例えば、青森県では弥生時代に稲作が始まりましたが、約2000年前に一旦中断しています。また、米作りが行われていない北東北の地域や北海道では前方後円墳は見られませんが、韓国南部には前方後円墳が存在しています。考古学は物質文化を通じて人類出現の時代から近現代の社会を復元します。教科書で学んだような、縄文時代や弥生時代の一般的な社会像や画一的な認識は、考古資料の研究を通じてくつがえされつつあり、日本がどのように形成されたのかについても、柔軟な視点や考え方で学ぶことができます。また、文化財を活かした社会作りも考古学の重要なテーマであり、学びを社会に還元できることも考古学を学ぶ魅力となるのではないでしょうか。卒業論文テーマ・研究課題例春秋・戦国時代の三晋・燕国地域における貨幣の研究縄文時代におけるヒスイ大珠の地域性弥生時代中期の津波痕跡と集落動態横穴墓の線刻画からみる古墳時代の喪葬観念「関東郡代」伊奈氏の陣屋について―伊奈氏の事蹟を踏まえて―■■ 総計/179人寺前先生の研究業績はこちらから■男子:97人(54%)■女子:82人(46%)考古学専攻として学生を募集している、全国でも数少ない大学です。1年次から考古学を学ぶ仲間とは同じクラス。少数精鋭の環境で、考古学の基礎や日本と世界の様々な時代の考古学を、各分野の第一線の研究者から学ぶことができます。考古学は机の上だけでは学べません。2年次からは、発掘調査の基礎や写真撮影の技術、遺物の実測などについて本物の資料を使って学びます。そして、この知識と技術は、3年次に日本、あるいは中国の発掘現場で実践。中国の発掘現場では、現地の学生や地元の方々と交流する貴重なチャンスです。卒業生は、考古学の知識や技術を活かして全国各地の博物館学芸員、あるいは地方自治体で埋蔵文化財を担当する専門的な公務員、民間の発掘調査機関の調査員として、さらに社会や地歴の教員として活躍中です。もちろん、一般企業にもたくさんの卒業生が就職しています。76歴史学科[考古学専攻]FACULTY OFL

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