駒澤大学 大学案内 2026
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人と自然の関わりを多様な視点から総合的にとらえる■■■■■■LEETTTTEERRSS[ 2024年5月1日時点 ]多様な視点から環境問題を捉える実習とフィールドワークで技を磨く地図、測量、気象、環境評価などで活躍文学部地球の自然システムの多様性を学び、自然環境の成り立ちを明らかに鈴木 秀和専門:自然地理学/水文学「自然地理学」の中でも自然界における水の存在様式や動きを明らかにする水文学(すいもんがく)を専門とし、とくに火山地域の地下水や湧水、温泉に関する研究を行ってきました。近年は、夏季に岩の□間から自然に冷気が吹き出す「風穴(ふうけつ)」の観測や利用に関する調査研究も行っています。明治から大正時代にかけて、最盛期には全国で300ヶ所ほどの風穴が天然の冷蔵庫として利用されていました。昭和時代になると技術革新により、ほとんどの風穴が冷蔵庫として使われなくなりました。近年、自然エネルギーヘの関心が高まるなか、風穴の再利用が進められており、見学施設として整備するほか、低温熟成に適した酒類や漬け物などを貯蔵した商品開発なども行われています。この他にも、ジオパークのように、自然資源を活かした地域振興は各地で行われています。「自然地理学」は地域の自然環境の成り立ちや特徴を明らかにし、自然と人間の関係を重要視する学問です。人間はより豊かで便利な生活を営むため、様々な技術を開発し実現してきました。しかし代償として森林破壊や水質汚濁などの地域的なものから、地球温暖化など地球規模におよぶ多くの環境問題を引き起こしました。日本は様々な自然災害が発生しやすい地域であり、環境問題への対応や自然災害対策を進める際には、地球がもつ自然システムの成り立ちや特徴を知ることが重要です。学生の皆さんには、環境問題や防災など応用的な側面だけでなく、本来の地球が持つ自然の営みについて興味を持ってもらいたいと思っています。卒業論文テーマ・研究課題例南西諸島喜界島における完新世サンゴ礁段丘のドローン測量ー形状の地域比較ー神奈川県南部における海風侵入の地域性沖縄県久米島における陸水の水質特性長野市栃倉の棚田における植生多摩川下流域における高齢者施設の水害リスクと避難計画ラムサール条約湿地・渡良瀬遊水池におけるエコツーリズムの展開と課題■■ 総計/289人鈴木先生の研究業績はこちらから■男子:215人■女子:74人(26%)(74%)地域環境研究専攻では、気候環境や地形条件、水の循環など、多様な視点から人と自然の関わりについて学びます。地域社会における自然との共存・共生の在り方や、資源利用、災害などの地域の環境問題について総合的に考えられるよう、幅広い科目群をカリキュラムに配置しています。気候学、地形学、水文学、GISの各実習科目のほか、2年次・3年次で履修する「地域調査入門」(選択)・「地域環境調査法」(選択必修)でのフィールドワークを通して、地域の環境についての様々な実践的な観測、観察、分析方法を学び、磨きます。地域環境研究専攻では教員免許のほか、測量士補・地域調査士・GIS学術士の資格が取得できます。これらの資格を活かした教員、地図・測量関連の企業のほか、4年間で学んだ多様な視点や実践的技術を武器に、官公庁や一般企業でも活躍が期待されます。70地理学科 [地域環境研究専攻]FACULTY OFL

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