東京工科大学 大学案内 Guide 2026
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腫 瘍 分 子 遺 伝 学 研 究 室研究室の詳細はこちら平岡応用生物学部厚輝4身 に つ けてほ し い年(取材時)県立科学技術高校出身(静岡県)就職先キャンパス内の片柳研究所には、バイオナノテクセンターなども設置されており、先進の研究機材が揃う村上 私は大学時代、薬学部で生化学系の基礎研究を行い、大学院では遺伝学の研究に取り組みました。その後、医師の資格を取得してから、それまでの研究の成果を医療分野に生かせないかと考え、悪性中皮腫という希少がんの研究を始めました。ここで目標としているのは、新規の抗がん剤や診断法を開発することです。平岡さんも重要な戦力として、がんばってくれていますね。平岡 がん関連の研究は、高度な専門知識を要する難易度の高い分野だと聞いていましたが、ぜひ直接関わりたいと思ってこの研究室を選びました。まだまだ発展していく可能性がある点にも惹かれました。村上 この研究室では、遺伝学の「合成致死」という現象を利用し、がん細胞だけに効く抗がん剤を開発しようとしています。また、特定のがん細胞にだけ染まって光る化学物質を使い、血中のがん細胞を早期に高精度で検出する方法も研究しています。遺伝学の手法を駆使して遺伝子同士の制御機構を解明したり、多くの生物に共通するシステムを見つけたりする面白さを、学生の皆さんと共有していきたいですね。もちろん、これからのがん医療に貢献できることも大きな魅力です。平岡 私は生きた細胞を扱う点に面白さと難しさの両方を感じています。長い時間をかけて細胞を培養するのは初めてで、繊細さと緻密さが求めら機 器 に感 動! 学び のモチベーションが一段と高まりました。級 バイオ 技 術 者 」の 資 格 を 取 得 。視 野と興 味を広げるきっかけにも。68対象とした新しい薬剤や検査手法を開発することで、新しい治療法の確立や早期発見に貢献します。役立つの?効果的な薬や治療法が少なく、治Q1入学時の思い出はキャンパスのスケールと、充 実した施設・Q2挑戦したことは生 物に関する知 識の 強 化を目的に、「中村上優子遺伝学の手法で、抗 がん剤の開発をめざす遺伝子、分子生物学、生化学のアプローチから、悪性中皮腫というがんを対象とする「新規分子標的薬開発」と「診断法開発」つのテーマを軸に研究を進めています。2の れます。日々の実験で少しずつ作業精度を高め、成果につながったときは本当に嬉しいです。村上 研究活動を通じて、「今の課題は何か」「どんな実験が必要か」「得られた結果をどう解釈し、どう発展させるか」という流れを繰り返す基本的なサイクルを身につけてほしいと思っています。平岡さんを見ていて感心するのは、自分がわかることとわからないことをきちんと把握していて、質問の内容もいつも的を射ている点です。周囲を冷静に見渡せる視野があるのでしょう。ずっとサッカーを続けてきたことも関係しているのかもしれませんね。平岡 どうでしょう(笑)。でも、確かに周りを見て動くのは得意ですね。卒業後は製薬会社へ入り、医療機関に薬の情報を提供するMR職に就くことが決まりました。研究で培った能力と自分の強みを生かしながら、一歩一歩成長していきたいと思います。癒が難しいとされる悪性中皮腫を例えば社 会のどんな場面で杏林製薬株式会社教授研 究 の 基 本 サ イクル を

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