工学部 複 合 ナノデ バ イス 研 究 室研究室の詳細はこちら年(取材時)県立横浜栄高校出身(神奈川県)進学先研究のために実際に製作したチタンマイクロワイヤーのサンプル原 豪琉4電気電子工学科研 究 者 に なってほ し い原 漠然とエンジニアの仕事に興味を持って入学しましたが、“研究したいこと”は特に決まっていませんでした。しかし、授業で電気電子分野について幅広く学ぶうちに、半導体やスマートフォンなどのエレクトロニクス分野に興味を持つようになりました。そして研究室を選ぶ際の面談で木村先生の説明を聞き、この研究室に入ろうと決めました。研究内容が魅力的でしたし、何より学生と真摯に向き合ってくれる先生の人柄に惹かれました。木村 それは嬉しいですね。今、原さんが取り組んでいるのは、この研究室の代表的テーマのひとつである「病気診断用のガスセンサーの集積化」に関する研究です。がんなどを“特有のにおい”で手軽に早期発見できるよう、スマートフォンに組み込める省スペース・省電力なにおいセンサーを実現するうえで重要ですね。他にも、洗剤不要でさまざまな汚れを洗浄・殺菌するナノバブルを発生させるフィルターや、赤外線を用いた物質表面の解析技術、廃棄電池から電力を取り出す研究など、多くのテーマを扱っています。どれも学生にとってやりがいがあるでしょう。原 はい。今のところ苦労の連続ですが、その分、手ごたえも感じています。エレクトロニクスの研究は、視覚で捉えられない電気や信号などを扱うので難しく感じる部分もありますが、求めていた結果が数値などで確認できたときは、大きな達成感があります。味をそそられる分 野を探す・絞ることができました。進 学を決 めたこと。快く背中を押してくれた家族にも感 謝しています。5555期発見が可能になります。患者の生命を守るだけでなく、社会全体の医療費負担を減らすことにつながります。役立つの?スマートフォンに搭載できるがんセンQ1入学時の思い出は電 気 電 子 のいろいろな講 義を受けて興Q2挑戦したことは在 学 中 の 一 番 の チャレ ン ジ は 大 学 院 木村康男がんを“におい”で発 見するスマホを実現したいがんなどの病気を“におい”で診断できる超小型のセンサーや、油汚れなどへの洗浄効果、除菌効果が期待される極小の泡(ナノバブル)を発生させるフィルターの開発などに取り組んでいます。木村 エレクトロニクス分野では、授業で身につけたことが研究にそのまま役立つと感じられる機会は少ないかもしれません。ただ、研究活動を通じて未知を追究していく中で、「これまで地道に学んできたことがここで使えるんだ」と気づく瞬間が必ず訪れます。その面白さを、ぜひ味わってほしいですね。木村 私は学生の皆さんには、覚えたことを繰り返す“作業者”ではなく、“研究者”になってほしいと思っています。そのためには、暗記中心の受験勉強のような頭の使い方を卒業し、答えのない課題と向き合い、自力で解決策を導き出す思考法に切り替える必要があります。原 入学当初は 4 年後に就職するつもりでしたが、より多くの研究経験を積み、自分の能力を高めたいと考えて、大学院進学を決意しました。在学中に国際的な学会で成果を発表することが大きな目標です。現在の研究がどのように進展し、自分がどこまで成長できるのか、今からとても楽しみです。サーが実現すれば、個人でがんの早例えば社 会のどんな場面で東京工科大学大学院工学研究科サステイナブル工学専攻教授作 業 者 で は なく
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