がん治療の新たな可能性に挑む 研究が入融合タンパク質の遺伝子の人工合成に成功!地道な試行錯誤が世界初の成果として実を結んだ研究室一覧の詳細はこちら関連する目標応用生物学部4年(取材時)県立港北高校出身(神奈川県)エピジェネティック工学研究室「第5の塩基」と呼ばれるメチルシトシンと、DNAの特殊構造である四重鎖構造に着目し、がんを簡便に診断できる技術や、 医薬品開発に向けた基礎研究に取り組んでいます。岩渕 徳郎 教授(出身企業:資生堂)加藤 輝 教授(出身企業:三菱化学)佐藤 淳 教授(出身企業:東レ)柴田 雅史 教授(出身企業:花王)杉山 友康 教授(出身企業:協和発酵工業)関 洋子 講師(出身:財団法人塩事業センター)多田 雄一 教授(出身企業:三井化学)土井 晃一郎 准教授後藤 早希 助教専門分野:分子生物学、応用微生物学、バイオプラスチック永瀬 翠 助教専門分野:医化学、酸化ストレス、生体内バイオマーカー中西 昭仁 助教専門分野:応用微生物学、遺伝子工学、代謝工学秋元 卓央 教授食品分析化学研究室 ● ◦食品や生体に含まれる脂質の構造と役割◦油脂、あるいは油脂を用いた食品の風味評価法の開発◦食用油脂の成分分析方法の開発分子生物学研究室 ●● ◦DNA損傷(特にDNA二本鎖切断)に対する分子機構の解明◦染色体動態制御を介したDNA修復制御機構の解明◦DNA修復機構の理解に基づくがん治療法の開発応用微生物学研究室 ●● ◦乳酸菌の増殖と死滅◦微生物が様々な環境下で受けるストレス損傷に関する研究◦細菌の産生するメンブランベシクルに関する研究抗酸化物質化学研究室 ●● ◦新規酸化ストレス・マーカーの開発◦水溶性ビタミンEの細胞内挙動と化粧品への応用◦脳梗塞治療薬エダラボンの抗酸化活性の評価美科学研究室 ●●● ◦皮膚・毛髪の細胞培養と素材の効き方の評価◦化粧品素材の効き方のメカニズムの研究方法◦化粧水・美容液・クリーム・育毛料の作り方と有効性評価皮膚進化細胞生物学研究室 ●● ◦皮膚表皮角質層バリアの形成機構◦皮膚表皮細胞のライブイメージング◦皮膚表皮顆粒層細胞の比較進化細胞生物学バイオプロセス工学研究室 ●● ◦SDGsを目的とした微生物活用◦難分解性有機化合物の微生物分解◦微生物ライブラリーの機能解析腫瘍分子遺伝学研究室 ● 村上 優子 教授(出身:順天堂大学医学部附属順天堂医院〈医師〉)◦がん発生メカニズムの解明◦合成致死表現型を利用した抗がん剤の開発◦血中循環がん細胞検出法の開発フードファンクション研究室 ● ◦食品素材の機能性評価系の確立◦食品素材の高付加価値化◦グラム陰性菌の評価方法の確立応用生体科学研究室 ●● ◦分子認識性DNAを用いた診断用ツールの開発◦ナノ薄膜を持ったバイオチップによる免疫測定の高感度化◦新たな疾病指標成分の探索による診断および創薬への応用応用生化学・ヘルスケア工学研究室 ●●●● 横山 憲二 教授(出身:産業技術総合研究所)◦自己血糖測定器の高機能化 ◦高速液体クロマトグラフィーによる高感度バイオ分析◦電気化学分析法を用いた高感度バイオ分析皮膚生理学研究室 ●● ◦シミの形成に関わる表皮の新陳代謝調節機構とシミ治療法開発◦日焼けの境界を作る色素細胞の移動調節機構◦産毛を用いた新しい肌診断方法エピジェネティック工学研究室 ●● ◦がん遺伝子のDNAメチル化レベル測定法の開発◦人工発光タンパク質を利用したゲノムDNA中の修飾塩基測定法の開発◦ヒトゲノムDNA中で形成される四重鎖構造の機能解析生命機能応用研究室 ●●●● ◦微生物叢の代謝フラックスを評価しうるAI技術に基づいたメタオミクス解析系の開発◦微生物を用いた乳製品加工残渣の有効利用法の開発◦炭素循環型社会の構築に資する緑藻細胞プラスチックスの開発浦瀬 太郎 教授遠藤 泰志 教授加柴 美里 教授佐藤 拓己 教授永井 利治 教授(出身企業:月島食品工業)西野 智彦 教授(出身企業:ヤクルト本社)前田 憲寿 教授(出身企業:資生堂)松井 毅 教授(出身:理化学研究所)松井 徹 教授(出身企業:ENEOS)安川 然太 教授(出身企業:太陽化学)吉田 雅紀 教授(出身企業:カネボウ)中村 知世 助教専門分野:応用微生物学、細菌学江村 文英 就職担当特任講師専門分野:就職指導、キャリアデザイン西 良太郎 准教授藤沢 章雄 教授矢野 和義 教授/学部長吉田 亘 准教授バイオセンサー研究室 ●● ◦環境中の残留農薬の検出と浄化をする遺伝子組み換え微生物の開発◦埋設地雷を検知する蛍光微生物の開発 ◦環境中の放射線や発がん性物質によって蛍光色が変化する微生物の開発毛髪科学研究室 ●●● ◦免疫抑制剤による毛周期調節機構の解明 ◦頭皮状態と毛髪形成の関係性◦毛髪ダメージと毛髪表面タンパクの疎水性変化◦くせ毛性状と発生原因の解明水環境工学研究室 ●● ◦抗生物質が効かない薬剤耐性菌の水環境中での対策◦水環境中のマイクロプラスチック問題◦膜分離法を利用した排水処理技術の開発食品機能化学研究室 ● ◦油脂及び油脂食品の劣化機構の解明と、その評価法並びに防止法の開発◦環境にやさしい食品分析法の開発◦健康機能を有する油脂の開発細胞酸化ストレス研究室 ●●● ◦ミトコンドリア呼吸鎖超複合体中のコエンザイムQ10の解析◦老化細胞の抗酸化物質量制御機構の解明◦神経細胞の酸化ストレスと抗酸化物質についての研究生体機能化学研究室 ●● ◦がん細胞表面抗原タンパク質の簡便検出のための機能性DNAの創製◦細胞内物質の蛍光イメージングのための機能性RNAの創製◦DNAメチル化の簡便検出法の開発生物創薬研究室 ● ◦自然免疫で機能するラクトフェリンの機能解析◦ラクトフェリンのバイオ医薬品としての開発◦創薬シーズとしての機能性ペプチドの探索アンチエイジングフード研究室 ●● ◦有機酸の細胞死抑制作用機序◦ビタミンCのガン細胞死の促進作用の機序◦ケトン体のアジュバンド効果の解明化粧品材料化学研究室 ●●● ◦有機無機複合化技術による柑橘類由来の紫外線吸収剤◦植物色素を活用した肌に優しい色材◦界面活性剤を用いない敏感肌用乳化技術機能性RNA工学研究室 ●● ◦がん抑制を目指した核酸医薬や人工知能の開発◦プラナリアを用いた再生と細胞酸化の解析◦細菌を用いた六価クロム汚染浄化技術の開発食品加工学研究室 ●● ◦食品の品質変化および保持に関する研究◦酵母を利用した発酵食品の機能性に関する研究◦食品を利用した化粧品の開発植物工学研究室 ●●● ◦植物のストレス耐性(耐塩性、貧肥料耐性、高温耐性など)機構の研究◦植物の有用機能の強化に関する研究◦植物の生薬成分の生産性の向上バイオインフォマティクス研究室 ●● ◦ゲノム情報解析のためのソフトウェア開発◦生物データからの知識発見◦構造データのためのデータマイニング手法の開発伊澤 千尋 助教専門分野:無機化学、材料化学岡田 麻衣子 助教(出身企業:中外製薬)専門分野:分子細胞生物学、分子内分泌学、分子腫瘍学木村 将大 助教専門分野:酵素学、分子生物学、免疫学6869就職先ダイセルミライズ株式会社研究室が関連するコース● 生命医薬 ● 地球環境 ● 食品 ● 化粧品体的には核酸を構成する塩基のひとつ「シトシン」に着目した研究に取り組んでいます。がん細胞は、このシトシンにメチル基がつく、すなわちメチル化することで、がんを抑制する遺伝子のスイッチがOFFになってしまっています。逆に、メチル化したシトシンからメチル基を除去する、すなわち脱メチル化すれば、がん抑制遺伝子のスイッチがONになり、がんを抑えることができると考えられます。そこで私は、光を照射することで脱メチル化を引き起こす「融合タンパク質」の開発をめざして研究を進めました。この研究室では、先輩のテーマを引き継ぐ研究も行われていますが、私が取り組んでいるのは前任者のいない新規テーマ。難易度が高いことは明らかでしたが、どうせなら新しいことに挑戦したいと思い選びました。実際、研究を始めてしばらくは空振りばかりで、実験の成果は上がりませ学前から病気に関わる研究に興味があり、現在、がん治療につながる基礎研究、具んでした。それでも試行錯誤を重ね、人一倍多くの実験をこなした結果、目標としていた融合タンパク質の遺伝子の合成に成功し、世界で初めての成果を自分の手で生み出す感動を味わうことができました。これまで苦労も多かったからこそ、多くの面で成長できたことを実感しています。そのひとつに英語力があります。研究に関係する論文はすべて英語で、しかも専門用語ばかりですから、最初のころは理解するのに悪戦苦闘していました。しかし、日常的に英語に接することで読む力がつき、また発表用のスライドも英語で作成するなど、記述力も鍛えられました。就職先は化学製品を扱う会社で、仕事内容はがんとは無関係ですが、研究活動を通じて身につけた知識や考え方は、顧客企業との関係づくりなどに大いに役立つはずです。研究は楽しく、がん治療分野への関心は強いので、いつかまた、何らかの形で研究に携われたらと考えています。しい遠藤 憂衣研究室/テーマ/教員一覧 (2023年4月現在)
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