恵泉女学園大学 海外プログラム2022
12/16

2021たNPOで外国にルーツを持つ子どSTUDY ABROADLet’sCENAの経験で意識したことCENAは6日間前後の比較的短いプログラムなので、社会人でも参加しやすい点が魅力だと思います。またあらかじめ自分の中で目的意識を整理しておくことも大事だと思いました。私の場合は今回、「CENAで出会ったアジアの仲間たちとの交流を深めること」、「訪問先の韓国・済州島について学ぶこと」、「沖縄の米軍基地問題に関する日本からの発表に挑戦すること」、「CENAのプログラム全体を通して、私自身の研究テーマに関する考えを深めること」などを意識しました。こうした目的意識をもって臨むことで、短期間でも収穫が多く、充実した体験になったことに満足しています。東アジアFSで学んだことまず、韓国企業がどのような人材を求めているのかをリアルに知ることができました。これまでは漠然と「日韓企業で働きたい!韓国や日韓関連の国際業務に就きたい!」と思っていましたが、具体的に日韓企業に期待されていること、その中で私が貢献できることをより明確に考えることができました。留学を通してただ語学能力だけを身に着けても、実際に考えることができなければ何の意味もありません。東アジアFSでは、留学で培った韓国語能力を発揮し、より広く物事を考える視点を得ることができました。CENAで芽生えたアジア的な視点と交流のネッワークCENAでは韓国、台湾、インドネシア、ネパールなどアジア各地からの学生と友達になり、彼らの人柄や考えに触れることができました。参加するたびに心洗われ、感動することも多いです。彼らと歴史・文化・政治など様々な面で交流し、意見交換をする中で、日本の内側からは見えてこないアジア的な視点が自然と芽生えます。CENAでのコミュニケーションツールである英語を、もっと上達させたいという学習意欲にもつながりました。アジアの現場で学んだ[民]の生き方と日本の役割今回のCENAのテーマは、国家暴力という非常に考え甲斐のあるテーマでした。済州島では、4・3事件について深く知ることができました。日本の植民地支配時代から分断統治に至る過程での出来事で、日本とも無関係ではないはずの歴史側面を初めて知りました。同じ民族同士の対立や、共産主義者と住民の虐殺被害を知ったときは大きなショックでした。当時を生き延びたハルモニ(おばあさん)の壮絶な体験談も強い印象として残っています。済州島には日本の植民地支配時代の痕跡が今も残っており、改めて日本が朝鮮半島に与えた影響を考えさせられました。実際に現地で学んだことで、日本と朝鮮半島の分断に深い関わりがあるということに気づくことができました。韓国企業訪問と貴重な討論の機会の連続2018年度の東アジアFSでは、韓国人学生とともに韓国の大企業から公共財団、市役所、ベンチャー企業、NGO団体まで、様々な企業・団体を訪問し交流しました。私は韓国へ1年間留学をしたことがありますが、企業への訪問や質疑応答ができるこのような貴重な経験はこれまでに体験したことがありませんでした。企業の人々と議論する機会があることにより、その企業について知るだけでなく、韓国社会や自分の関心のある職業分野、業界に対する知識も深めることができました。最終日には日韓の学生が6グループに分かれて、自ら企業訪問調査(インターンシップ)を行い、後にプレゼンテーションをしました。自分たちだけで調査を行ったことにより責任感を自覚するとともに、より深い企業理解と相互交流に繋がりました。またFS期間中の韓国人学生との交流から、友人関係を築くことができました。日韓学生で東アジアの過去、現在、未来を考える韓国人学生と全日程をともにすることで受ける刺激も多くありました。企業や団体に対する質問も日韓学生では視点が違うことが興味深く、競争率が高い韓国の学生がどんな努力をしているのかを間近で感じることができました。また、東アジアFSでは日韓関係の現在を見るだけでなく、過去、そして未来についても学びました。日韓には暗い歴史の時代もありましたが、学生の私たちが歴史ある場所を歩きながら交流し、考えたことでお互いにより親近感を覚え、国籍で「ナニジン」かというよりも様々な背景をもつ個々人、一人ひとりとして捉えられるようにもなりました。このような感覚が、日韓や東アジアの平和への第一歩になるのではないかと実感しています。長期FSでの経験を生かして長期FSでは、資格や語学力以上の、ここには書ききれないほどのたくさんの「経験」を得ました。もちろん、良かったことだけではなく、自分の力不足や欠点に気付かされる経験もありましたが、そのひとつ一つが私にとっては教室では得られない学びとなりました。新しい世界に飛び出せば、何らかの困難に直面し、失敗することがあるでしょう。しかし、そんな時こそタイでの経験が力になってくれると思います。次のステップとして、長年お世話になっている国際的な宗教法人がスイスで開いているスクールに今夏から1年間通う予定です。スクールには人種や国境を越えて様々な人が集まってくるので、タイでの生活以上に文化の違いやコミュニケーションの難しさに戸惑うことがあるかもしれませんが、この新しい挑戦が長期FSと同じように、私に多くのものを与えてくれると信じています。慣れない生活と活動を前に期待と不安で一杯でした私はタイに行く前から子どもが好きで、日本では大学の授業で知ったNPOで外国にルーツを持つ子どもの学習支援のボランティアをしていました。長期フィールドスタディ(長期FS)に参加するにあたり、「子どもを保護し、発達を促進するための活動」をテーマに、カトリックの修道会を母体としている児童養護施設BAAN MITRATORNを体験学習先に選びました。体験学習中、私は子どもの世話とスタッフの仕事を手伝うことになったのですが、すべてのやり取りがタイ語か英語だったため、うまくコミュニケーションを取ることができず、時には会話をすることが億劫になることもありました。しかし、スタッフの方たちが粘り強く私に話し続けてくれたおかげで、それに応えなければと努力を続けているうちに、少しずつ理解できるようになりました。この目の前の霧が晴れるような感覚とあきらめずに続けることの大切さに改めて気づかされました。当たり前が当たり前ではないことに気づかされた経験体験学習を通して、家族について考える良い機会となりました。児童養護施設であるBAAN MITRATORNでは、「真実を受入れる」ことを大切にしています。それは、自分が置かれた環境や現実・真実を受入れることにより、真の自由や幸せを手にできるようになるという聖書の教えに基づいています。ここで生活をする子どもたちは、自分自身がHIVに感染していたり、親が刑務所にいるかすでに亡くなっていたりするため、血縁関係のある家族とではなく、児童養護施設で生活をしなければいけない状況にあります。シスターは、このような真実を受止めるためには強い精神力が必要であり、それを養うために必要不可欠なのが「家族からの愛情」だと言います。子どもたちにとっての家族は、この施設そのものであるとの考えから、BAAN MITRATORNに関わるスタッフが子どもたち一人ひとりに合わせた対応をし、家族としての愛情を注いでいくことが重要になることを学びました。私はこの学びから「家族」とは、血のつながりよりも、こうした日々の行為を通して「かたちづくられる」ものだと気づかされました。CENA 平和学研究科2年(大学院)東アジアフィールドスタディ 国際社会学科4年長期フィールドスタディ 国際社会学科3年2018年12月 文部科学省 インターンシップにて2018年12月 文部科学省 インターンシップにて最優秀賞につぐ『選考委員会特別賞』受賞!最優秀賞につぐ『選考委員会特別賞』受賞!本学の『タイ長期フィールドスタディ(FS)』■安全危機管理体制の整備  ■20年にわたるプログラム実績■安全危機管理体制の整備  ■20年にわたるプログラム実績■事前・事後学習の徹底、本学女性教員による現地指導など、丁寧な教育■事前・事後学習の徹底、本学女性教員による現地指導など、丁寧な教育❖文部科学省「特色のある大学教育支援プログラム(特色GP)にも選択(2006年度)❖文部科学省「特色のある大学教育支援プログラム(特色GP)にも選択(2006年度)❖届出163校・申請77校の中で、唯一女子大として入賞❖届出163校・申請77校の中で、唯一女子大として入賞教育効果の高い先進的モデルとしてプログラムが評価されました。恵泉女学園大学は「教育の良さ」で高く評価されています参加学生コメント

元のページ  ../index.html#12

このブックを見る