東京医療学院大学 GUIDEBOOK 2026
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34教授吉井 智晴 Chiharu Yoshii地域理学療法学GUIDE BOOK 2026 地域リハビリテーション学・地域理学療法学は、 病気やけがで入院した患者さんが、 退院した後にご自分の希望する生活ができるように支援する力を身につけるものです。 心身の機能評価、 困りごとの聞き取り、 それに対してどのような理学療法(トレーニング)を実施するか、その効果測定、 さらにどこまで良くなるかの予後予測などを学びます。 病院の中で歩けるだけでは不十分で、患者さんが生活者として復帰するところまで支援することが重要です。しかし、その生活を見る視点が大変難しく、医療・介護・福祉の基礎的知識だけでなく、 人間力、哲学(理学療法士観)、 何より患者さんのために最善を尽くそうとする気持ちが必要となります。 これらの力は、すぐに身につくものではないので、 基本的な考え方に我がこととして自分の生活の振り返りを加え、 応用できる力を身につけてもらえるような講義をしています。 ボランティア入門は、 リハビリテーションの対象である「人」 について興味を持つことを大切にしています。 専門職になる前に、 人として、 他者と触れ合うことが必要で、 それらの経験ができる科目です。 ボランティア活動の経験者は増えてきているので、 本学では、 地域連携として自分に何ができるかを考えて実践する時間とします。 伝えたいのは、「人が好きなこと」「真摯な姿勢」です。理学療法士は、 知識・技術だけではなく、 人に寄り添うことで、 患者さんの能力を引き出すことができるからです。 また、 真摯な姿勢は新しいことを吸収する大きな力となります。 理学療法士になりたいならば、 一念発起して頑張ってほしいですし、 それを最大限に支援します。 高校までは勉強が苦手だったとしても、「今」 を大切に、 できることから始めましょう。 私は常に、 学生の能力、 成長を信じて対応したいと思っています。 学生の言葉は、 他者を傷つけたり、 本人と他者の命に関わったりすることでない限り、 共感することはできなくても、 学生本人にとっては大事なことなのだと理解し、 その言動に自分で責任を持つことを確認した上で、 信じることにしています。 卒業して数年後にあの時自分を信じてくれたから安心して前に進めた、 と聞かされると、 信じてよかったなとうれしくなります。 本学は、 多様な入試形態で学生を迎え入れ、 理学療法士になりたいと思った学生を丁寧に支援しています。「学びの技法」 では、 学び方の意味付けと、 その具体的方法を学びます。 入学後からしっかり頑張れば理学療法士になることができます。 今まで勉強をしてこなかった、 理系は苦手といった過去は全く関係ありません。 これからどうしたいのか、 どうするかのみが大事です。「皆さんは伸びしろだらけ」ですから、 私は大いに期待しています。「人」を支援するためにはまずは「人」に興味を持ち好きになることが大切人が好きでいることが大事 真摯な姿勢でできることから始めよう学生の能力や成長を信じて 公平な対応を心がける地域連携として 自分にできることを考え実践するI n t e r v i e w w i t h F a c u l t y教 員インタビュー

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