東京医療学院大学 GUIDEBOOK 2026
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24准教授柴田 滋子 Shigeko Shibata地域・在宅看護学GUIDE BOOK 2026 私は 「地域・在宅看護学援助論」「地域・在宅看護学演習」「地域・在宅看護学実習」 を担当しています。 「地域・在宅看護学援助論」 は、 自宅での療養を必要とする方への看護に関する知識を学びます。 子どもから高齢者までと年齢層は幅広く、 疾患や障がい、 生活する環境も様々な方々を対象とし、 生活の中で必要となる看護の視点について学んでいきます。「地域・在宅看護学演習」 では、 療養者の特徴を医療の側面(身体・心理)と生活の側面(家族・環境)から整理し、 必要な支援と実施方法について技術演習を通して考えていきます。 そして、「地域・在宅看護学実習」 は、 実践の場です。 多くの体験を通して実践力が身につくよう支援しています。 地域や在宅で療養を必要とする方の年齢や疾患・障がいの症状や程度、生活環境などは様々です。 そのため、基礎看護学で学んだ知識を応用した柔軟な対応が必要となります。 個々の価値観を尊重した看護の提供が、 療養者の安定した生活の継続につながることを理解し、 看護の質について考える機会になればと思っています。 学生に対しては、 個々の特徴に合わせた対応ができるように心がけ、 一人ひとりの気づきから学びを深められるように助言しています。 記録を苦手とする学生に対しては、 訪問場面等の話を聞きながら、 気づきや学びを確認して文章化できるようにサポートします。 また、 社会性も重視し、 気がついた点はしっかりと伝えています。 先日、 地域・在宅看護学実習に消極的な学生から、「今日、 同行訪問に伺った A さんは夏なのに革の手袋をしている。 本人に聞いても良いものだろうか?」 と相談がありました。 現場での気づきを大切にしてほしいことを伝えながら、「素敵な手袋ですね」 などいくつかの問いかけの例を提案してみました。 すると翌日、学生が「Aさんに手袋のことを聞いてみました。 あの手袋は少し前に亡くなったご主人の形見だったのです」 と、 いきいきと話してくれました。学生自身が感じたことをもとにコミュニケーションをとることで、 相手への理解を深められたことは大きな一歩だったようです。 コミュニケーションの大切さについて、 体験を通して感じてくれたのではないかと、 うれしく思いました。 東京医療学院大学は、 専門知識や技術の修得だけでなく、 人としての感性を高め、 いろいろな体験を通じて人としても成長できる場所だと思います。 国家試験対策でも、 看護学科の学生が理学療法学専攻の学生から教えてもらうなど、 それぞれの学科・専攻の強みを活かした学科・専攻を超えた学生間の交流や協力が見られ、 就職後のチームケアにも役立つものと考えます。 近年、 看護職の活躍の場は拡大しており、 今後もさらに発展していく可能性があります。 本学での 4 年間で広い視点を持って学ぶとともに、 自分に合った看護を見つけてもらいたいです。 看護を学ぶ上では、 時に大変なことや迷うこともありますが、 その都度、 友人や教員と一緒に考え、 乗り越えて、 専門性や人間性を高めてほしいと思います。しっかりした知識のもと、柔軟な対応力で質の高い看護ができる人に実習での気づきが 学生を大きく成長させる本学での様々な体験を通して、 人としての感性を高めてほしい基礎看護学の知識を応用し、 柔軟な対応ができる力を育てるI n t e r v i e w w i t h F a c u l t y教 員インタビュー

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