東京医療学院大学 GUIDE BOOK 2024
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29Interview with Faculty 私が担当している「精神保健領域」は作業療法・リハビリテーションの中でも精神疾患、心の病を患われている方に対して行うもので、大学では臨床経験をもとに心に障がいを持っている方、精神疾患に対するリハビリテーションを中心に授業をしています。 講義では教科書を使った講義だけでは理解しづらい部分もあるので、学生たちにペーパーペイシェントという患者の情報を与え、どういう検査や測定をすればよいのか、どういった治療プログラムを立てるのかといった具体的な演習を行ったり、教員や学生を患者さんに見立てて、面接や治療といった演習をするなど、座学だけではない、臨床現場をリアルに体験・体感できるような講義を心がけています。機能の回復だけではなく 患者さんの「これからの人生」に寄り添っていく リハビリテーションということを捉えたとき、腕が動くようになるとか、歩けるようになるといった機能や障がいのある部分に目が行きがちです。機能の回復はもちろんのこと、患者さんのこれから先の人生をしっかりと捉え、その人が何を思い何を大切にして生きてきて、これから先どういう風に生きていきたいと思っているかを捉えていくことが大事だと、学生には強く伝えています。患者さんのより深い心の内面に 寄り添えるのが作業療法士 患者さんの心のケアに関しては看護師や理学療法士も同じように扱いますが、とりわけ作業療法士は精神保健分野といった特徴的な領域を扱っていますので、その人の思いやより深い内面に寄り添える仕事だと自負しています。本学は講義のなかで、すべての人たちの心のケア、保健医療学博士。神奈川県作業療法士会理事。精神科病院に勤務し、不登校など思春期の心の悩みに関わる。作業療法士養成校の教務主任、学科長などを経て本学に勤務。フィッシングインストラクターとして青少年や高齢者への指導を行う。病気で心が沈んでいる方や生きる意欲を失ってしまっている方への関わり方も教えていきますし、他にも精神疾患や認知症、小児発達といったさまざまな領域に対する患者さんとのコミュニケーションの取り方に、特に力を入れている学校です。患者さんの好きなことを通して 笑顔で患者さんの機能を回復する 私自身も作業療法士になって22年になります。社会人として病院の事務職をしていたとき、作業療法士が患者さんとの行事やレクリエーションなどで活躍する姿を見て「患者さんの好きなことを通して、患者さんの機能を回復する、なんて素敵な職業なんだろう」と思ったのがきっかけでした。昼間は仕事をしながら夜間の学校に通い、資格を取得、その後は精神科病院に勤務していましたが、勤務先の病院長がスクールカウンセラーであったこともあり、特に思春期特有の心の悩みを抱える方との関わりが多かったです。若い人たちのこれから先の未来を一緒につくっていくという意味では、大学の教員という立場だけでなく、作業療法士スピリットで学生と関わっています。これから作業療法士を目指すあなたへ 本学のパンフレットを見ている時点で、あなたは誰かの役に立ちたい、優しい気持ちの持ち主だと思います。作業療法士は人を相手にするお仕事です。保護者の方や先生に言われただけではなく、本当に人が好きかどうか、人と関わることが好きかどうか、自分の適性を確かめてみてください。あなたが作業療法士になりたい、その気持ちを持ち続けていれば、私たち教員も全力であなたをなんとかしよう、引っ張りあげようと思います。准教授野本 義則Yoshinori Nomoto教員インタビュー大学の先生という立場だけでなく作業療法士スピリットで学生と関わっています

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