東京医療学院大学 GUIDE BOOK 2024
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21Interview with Faculty 病気などさまざまな理由から運動機能が失われている患者さんに対して、立ったり座ったり、起き上がったり歩いたりといった基本動作を中心に動作を改善していくこと。これが理学療法士の仕事となります。 実際の生活場面で考えると、トイレまで歩く、トイレに座る、トイレから立ち上がる、方向転換をする、ズボンなどを脱ぎ履きするために立位姿勢を保持するなど、トイレに行くだけでも多くの基本動作が必要となります。このように、日々の生活で動きの基礎となっている動きに対して改善を図り、自宅での生活や社会に戻ることを目標に病院や施設など様々な場所で働いています。医療・保健分野からスポーツ分野まで 多分野で活躍できる理学療法士 近年、理学療法士がスポーツ分野で活躍する機会が増えてきています。そこでは、基本的な動作に限らず、スポーツ特性を理解した上で、術後の選手が復帰への道のりを歩む際、医学的なサポートを中心に行います。基礎的な動きが中心となる時期は、選手にとっても精神的にもつらい時期。相手の話を聞き復帰に向けた準備を一緒に行っていきます。トレーナーとして活躍中の先輩も 本学ではスポーツ分野を志望する学生が中心となって活動する「PoFT」というサークルがあります。「PoFT」では、高校の運動部や少年野球チームでのフィジカルチェックなどの活動を、実際にスポーツの現場で活躍されている理学療法士の方々と一緒に経験できます。看護学科や作業療法学専攻の学生も活動しています。教員である私も学生に帯同してアドバイスを行います。卒業後にスポーツトレーナーとして活躍している先輩もいます。国際医療福祉大学大学院 医療福祉学研究科保健医療学専攻博士課程修了。病院勤務や帝京大学福岡医療技術学部理学療法学科助教などを経て現職。2019年ラクロス女子19歳以下日本代表チームトレーナーとして世界大会に帯同。相手の気持ちに寄り添う「やさしさ」を また、スポーツ分野に限らず、どんな道に進むにしても重要となるのがコミュニケーション能力です。対話によって患者さんの症状や要望を聞き出すことが、リハビリテーションのスタート地点。患者さんやご家族が何を求め、何がしたいのかを把握した上で、適切に理学療法を提供していく必要があり、その第一歩が声掛けから始まるコミュニケーションです。 そこで推奨したいのは、友人や家族と過ごす日々の生活や、アルバイト先での会話などで、相手が考えていることの本質を探る努力をしてみること。相手に興味を持って、共感できるポイントを探そうとする心がけを大切にしてほしいのです。その意識が、入学後の実習や、将来患者さんと接する際にも活かされます。相手の立場になって考え、気持ちに寄り添うことこそが、医療人として持つべき「やさしさ」だからです。目標を見つけることの大切さ 入学直後は、初めて耳にする専門用語も多いと思いますので、すぐに内容を理解してほしいというよりも、まずは興味を持つ足がかりとなる講義を心がけています。知識がなくても、興味こそが成長の原動力になるからです。 そして、入学前は「理学療法士になりたい」というモチベーションで構いませんが、入学後には「理学療法士になって〇〇がしたい」という目的を見つけてほしいと思います。将来像がなかなかクリアにならない学生もいますが、4年間じっくり悩んでもいいと思います。実習先で多様な選択肢に出合うことができますし、友人や教員とコミュニケーションを重ねることも、将来を切り拓くきっかけになるはずです。准教授羽田 圭宏Yoshihiro Haneda教員インタビュー興味こそが成長の原動力になる

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