東京医療学院大学 GUIDE BOOK 2024
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13Interview with Faculty 私が担当する「精神看護学概論」は病気や障がいのあるなしに関わらず、危機を乗り越えて生きようとする人を援助する実践の学問です。「精神看護学概論」で精神看護の基礎である人間への理解を深め、「精神看護学援助論」でうつ病や統合失調症など、心を病む人への具体的な援助方法を学んでいきます。少人数のグループ編成で 看護師に求められる広い視野と知識を習得 本学では看護学の専門科目に加えて、看護師に求められる広い視野と知識を習得するため、「セルフディブロップメント」「キャリアディブロップメント」といった科目が配置されており、少人数のグループで議論を通して学修できるようになっています。 私の担当する精神看護学は人間のメンタルヘルスに関する科目です。日本の精神科病院には何十年という長い期間、入院生活を送る方がいますが、精神看護学実習ではうつ病や統合失調症の患者さんと直接関わる経験を通して、患者さんとその人生への理解を深めてほしいと思います。講義では基礎知識を得ますが、その知識を基に自分の関心に従って自ら考え、体験を通して確かな幅広い知識にしてほしいと考えています。主体的に学修できるよう、講義ではなるべくポイントを絞って説明し、不定期に小テストを行い、知識の定着の有無もチェックしています。大切なことは「人と関われる力」挨拶や応答 など、基本的な対応ができる人ほど伸びる 本学に就任して日が浅いですが、挨拶がきちんとでき、礼儀正しい学生が多いと感じています。看護の学びは専門的な知識だけでなく、人と人との関係、対人関係の技も含まれます。精神看護学は看護師の関わりが回復のプロセスにも影響を及ぼす領域です。実習へ行く前の段階では「患者さんに嫌われたらどうしよう」「傷つけたらどうしよう」と不安に思う学生も、実習後には精神障がい者への見方が変化し、自分の障がい観が修正されていくこともあります。また私たちと同様、精神障がい者にもさまざまなタイプの人がいます。中には病気北里大学病院で看護師を15年経験後、日本赤十字看護大学大学院で博士号取得。北里大学看護学部などで22年教鞭をとった後、2020年10月より現職。や服薬治療の影響で、ゆっくりとしか話や行動ができない人もいます。「人と関われる力」を持つ看護学生になってほしいと思っています。コロナ禍でのオンライン講義、DVDからも 多くのことが学べることがわかりました コロナ禍のオンライン講義では、教員も学生も学修環境が変わり大変なこともありました。しかしその中で、地域の就労支援センターで働く精神障がい者の動画を学生に視聴してもらったところ、素晴らしい感想と学びがあったことがレポートから読み取れて、地域社会で生活する精神障がい者についてDVDからも多くのことが学べることがわかりました。 また、精神科病院の看護部長の方やソーシャルワーカーの方にご協力いただき、臨床現場の看護活動についてお話ししていただく臨床講義を実施することもできました。リモートではありましたが、臨場感のある講義内容になったのではないかと思います。看護は人を相手に自分自身も成長し続けられる 仕事。人に興味がある人であってほしい 現代の日本は医療技術は進んでいますが、精神医療の領域ではまだ多くの課題が残されている現状があります。心の病気を持つ人には人との関わりそのものが大きく影響を与える領域であり、だからこそ看護師には人と関わる力が求められるのであり、人に関心がある人に入学してほしいと思います。看護という仕事は、日々の看護を通して自分自身も成長し続けられる仕事です。入学して、本学の教育方針に基づき、患者さんのそばに優しく寄り添うことのできる看護師を目指してほしいと思っています。 また、本学は自然豊かな環境の中にあり、徒歩数分のところには一本杉公園があります。大学の4年間、緑豊かなキャンパスで、自然に触れて気分転換をしながら、ゆとりを持って学んでほしいですね。教授出口 禎子Sachiko Deguchi教員インタビュー自らの関心に従って考え、体験を通して確かな知識に。患者さんに優しく寄り添うことのできる看護師を育成

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