法政大学 GUIDEBOOK 2024
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西塚 俊太 准教授哲学科068互いに影響しあう文学部での学び文学部での学びの特徴は「多様性」「関係性」「根本性」にあります。例えば私が所属している哲学科では、時代や地域を超えた真理・善悪・美というものが存在するのか、あるとしたらそれはどのようなものなのかなど、さまざまなテーマを考え抜いていきますが、その多様な分野の中でも私は「日本思想史」という学問を専門としています。日本の古代から近現代までの間に、人々が何を喜び・哀しみ、怖れ・楽しみ・願っていたのかについて研究を進めています。また文学部には6つの学科があり、これらは密接に関係し合っています。6学科での学びが深く関わり合うことによって、文学部では学科の枠を超え、人間の生き方や根本に関わる文化や文明全体を把握するための環境が整っています。文学部は社会で役に立たない!?文学部で学ぶ学問の多くは、日常生活で常に必要とされたり目に見える利便性をもたらしたりしないため、社会で役に立たないものと思われるかもしれません。しかし、粘り強く学び続ける姿勢や、学びの中で身に付く思考力や判断力は、社会で役立つ「実践知」につながるのではないかと思っています。そして、人生の中で困難を抱えてしまった時や転機を迎えた時などには、皆さんが現代社会を生き抜く上での大きな支えとなってくれるでしょう。理想の未来へ向けて人間の根本に寄り添い私たちの生活を支える学び

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