法政大学 GUIDEBOOK 2024
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西川 正俊 准教授生命機能学科162細胞の世界をのぞいて見ると私たち人間や動物、植物などの生物を構成する細胞。その細胞の中を観察すると、誰から命令されることなく、渦のように動き回り、それぞれの要素が相互作用しながら、複雑な形を作っていく様子を理解できます。この自発的、自律的な仕組みは、生命を特徴付ける重要な性質の一つ。私はこの性質を解き明かすことを目指し、生物学と数理科学を組み合わせて研究に取り組んでいます。研究を進める中で、動物と植物のように一見するとかけ離れて見えるものでも、共通の原理が作用していることがわかる瞬間があります。これこそ生命科学の面白さであると感じています。あらゆる分野の基礎となる生命科学決まった司令塔が存在しないにも関わらず、自発的に動き、機能を果たす細胞。このメカニズムを追究することで、ロボットやシステムの構築への波及効果も期待できます。つまり、生命科学は、さまざまな分野の基礎、地盤として、大きなイノベーションを生み出す可能性を秘めている学問です。また、研究を通して論理的に物事を考え、観察・分析していく手法は、どんな場面においても求められる実践的な力として役立つでしょう。まずはその手法を身に付けながら、まだ誰も発見していないことを一緒に見つけませんか。理想の未来へ向けて生物の中の小さな現象を追究するやがてそれは大きなイノベーションに

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