法政大学 GUIDEBOOK 2024
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酔鯨酒造株式会社利根川千枝さん生命科学部生命機能学科(現:応用植物科学科)植物医科学専修卒業2017年開発部実践知の現場014研究にも商品開発にも通じる社会との接点を持ち続ける姿勢。食事と共に楽しむお酒「食中酒」をコンセプトに、さまざまな商品を展開する酔鯨酒造。その中で私は、日本酒を使ったリキュールの開発に携わっています。2021年7月に発売が開始された「酔鯨リキュールかじゅ39」は、高知県産の柑橘をふんだんに使い、果汁の爽やかさを全面に感じられるジューシーなお酒です。企画立案、試作、品質管理、市場調査など、商品化までの一連の工程を担い、日本酒に馴染みのない若い女性にも手に取ってもらえるよう試行錯誤しました。商品開発の過程で最も大切にしているのは、商品を手にしたお客様の姿を想像すること。食事と共にお酒を味わうことで生まれる、楽しく豊かな空間を思い描きながら、商品づくりを行っています。こうした姿勢で取り組むことができるのも、社会に開かれた法政大学での学びが大きく影響しています。大学では植物の病気の原因となる菌類について研究していました。植物医科学センターの窓口となる研究室に所属し、病気になった植物を診断する病害診断にも携わりました。持ち込まれた植物の依頼主の方々のことを思い浮かべながら取り組むことで、自分の行っている研究は社会でどのように役立てられるのか常に考える姿勢が自然と身に付きました。また、専門を超え学内外のさまざまな方々と接する場面が多く、外に目を向けることの大切さも学びました。グラスを片手に食事を楽しむ、幸せな風景が世界のあちこちで繰り広げられることを思い描きながら、これからも商品開発に励んでいきます。開発から出荷まで最後まで気を抜かない開発の担当者として、出荷前の最終チェックも行う。まず香り、その次に口に含んで味を確かめる。最高の1本を届けるため、微妙な味や香りの違いを感じ取ることが重要となる。1本の瓶が紡ぎ出す彩り豊かな時間

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