磁磁気気物物性性測測定定室室のの紹紹介介 高高校校生生のの皆皆ささんんへへ 6結結晶晶物物理理学学研研究究室室へへよよううここそそ!! 結晶物理学研究室では、新しい物質を作る研究をしています。もし皆さんがミクロの大きさになって結晶の中に迷い込んだとしたら、どっちを向いても気が遠くなるほど原子が整然と並んでいる光景を目にするはずです。私たちの研究室では、特に結晶の中の電子の姿に興味を持っています。電子は裸ではマイナスの電気をもった粒のように見えますが、結晶の中ではさまざまに形を変えます。電子はくるくる自転しながら磁石になる場合もあれば、ものすごいスピードでぶつかりあいながら電気を運ぶ場合もあります。さらに、特殊な結晶の中では、2つの電子がカップルになり、電気抵抗が完全に消える「超伝導」という不思議な状態を作ります。超伝導は電力の輸送や貯蔵、リニアモーターカーなどの磁気浮上、超高速で計算ができるコンピュータなどさまざまな応用が期待されていますが、今のところ非常に冷たい温度にならないと現れません。室温でも超伝導になる物質を探すのも私たちの夢です。結晶の中で電子がどのようにふるまっているのかを知る簡単な方法は、磁場をかけてみる事です。もしも結晶が磁石になっていたら磁場に吸い寄せられるはずですし、超伝導になっていたら磁場から遠ざかろうとするでしょう。もし面白い磁気特性を示す物質を見つけたら、物理学の発展に役に立つばかりでなく、新しいデバイスへの応用にもつながるかもしれません。この実験室では、主に超伝導量子干渉磁束計(SQUID)と断熱消磁超低温冷却装置という装置を使い、室温から非常に冷たい温度に至るまで、物質が磁場に対してどのような応答を示すかを調べています。中央大学の物理学科には、一番大きな存在である宇宙から、一番小さい素粒子の世界まで、実に様々な事を研究している先生が集まっています。扱うものは違っていても、自然の美しさ、偉大さを眺めてみたいという思いは同じです。さらに、同じような思いを抱いている人は世界中にいます。国際会議で国籍も宗教も全然違う人同士が熱く語り合っている姿をみるたびに、物理学の持つ普遍性に感動を覚えます。表面的な技術ばかりを学ぶのが大学ではありません。まずは自然と向き合い、興味を持ったことにとことんのめり込んでください。そのような経験は将来どんな職業につく場合でも役に立つことでしょう。メイン物性関連物質、新材料、新素材/低温結結晶晶物物理理学学研研究究室室 佐佐藤藤 博博彦彦 教教授授 物物理理学学科科 2号館7階2738号室結晶物理学研究室物理と化学の垣根を取り払おう!物理学科佐藤 博彦教授
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