中央大学 理工学部研究室ガイド 2024
56/110

CC応応用用化化学学科科 応応用用化化学学科科 有有機機金金属属化化学学研研究究室室 有有機機金金属属化化学学研研究究室室 石石井井 洋洋一一 教教授授 石石井井 洋洋一一 教教授授 結合の組み換えが自由にできる!? 含むクラスター。ロケット型と呼んでいます。 含むクラスター。ロケット型と呼んでいます。 有機金属化学は、有機化学と無機化学の境界にあたる分野です。金属化合物(無機化学)の 有機金属化学は、有機化学と無機化学の境界にあたる分野です。金属化合物(無機化学)の能力を最大限に利用して、炭素化合物の化学(有機化学)の新しい反応の開発や、金属-炭素能力を最大限に利用して、炭素化合物の化学(有機化学)の新しい反応の開発や、金属-炭素結合の特性を活かした新構造の化合物の合成を目指しています。結合の特性を活かした新構造の化合物の合成を目指しています。 金属化合物の特徴を活用すると、通常では 金属化合物の特徴を活用すると、通常では切断できない炭素-炭素や炭素-水素の結切断できない炭素-炭素や炭素-水素の結合を切って、自由につなぎかえることも可能に合を切って、自由につなぎかえることも可能になります。私たちはそのような反応の開発になります。私たちはそのような反応の開発に取り組んでおり、たとえば、右図のように、炭取り組んでおり、たとえば、右図のように、炭素-炭素三重結合に隣接した基(図ではフェ素-炭素三重結合に隣接した基(図ではフェニル基)を隣の炭素へ移動させる反応を最近ニル基)を隣の炭素へ移動させる反応を最近開発しました。 開発しました。 このように高活性な金属化合物の中には、 このように高活性な金属化合物の中には、空気中で分解してしまう不安定な物質も少なく空気中で分解してしまう不安定な物質も少なくありません。それらの取り扱いには、アルゴンありません。それらの取り扱いには、アルゴンや窒素の雰囲気下で反応や精製を行う技術や窒素の雰囲気下で反応や精製を行う技術が必要です。実験室ではそのような装置にもが必要です。実験室ではそのような装置にも触れていただけます。触れていただけます。 私たちは、これまでにない新構造の化合物を作り出すことにも興味を持っています。特に面白 私たちは、これまでにない新構造の化合物を作り出すことにも興味を持っています。特に面白いのは、金属原子をいくつも含む「クラスター錯体」と呼ばれる物質群です。金属元素の組み合いのは、金属原子をいくつも含む「クラスター錯体」と呼ばれる物質群です。金属元素の組み合わせにより、無限ともいえるほどバラエティーに富んだ化合物ができてきます。また、そのなかかわせにより、無限ともいえるほどバラエティーに富んだ化合物ができてきます。また、そのなかから触媒などとして利用できるものも見つかっています。ら触媒などとして利用できるものも見つかっています。 新しい化合物ができると、「単結晶X線構造解析」という方法を使って、分子の構造を直接確 新しい化合物ができると、「単結晶X線構造解析」という方法を使って、分子の構造を直接確かめます(下図)。この測定のために使う結晶の大きさはわずか0.2 mm くらい!!見えるか見かめます(下図)。この測定のために使う結晶の大きさはわずか0.2 mm くらい!!見えるか見えないか、という大きさの結晶サンプルがあれば、分子構造の細かなところまで決定できます。えないか、という大きさの結晶サンプルがあれば、分子構造の細かなところまで決定できます。顕微鏡では直接観察できない分子の形も、「見てきた」ようにわかるのです。顕微鏡では直接観察できない分子の形も、「見てきた」ようにわかるのです。研究室で発見された、4つのイリジウム原子を研究室で発見された、4つのイリジウム原子を 5号館3階5号館3階5321号室5321号室メイン物質、新材料、新素材関連新規反応・新規物質の開発54RuRuCCPhPPPhPhRuRu=Ph有機金属化学研究室新反応の宝庫!有機金属化学を極める応用化学科石井 洋一教授

元のページ  ../index.html#56

このブックを見る