*(株)アジア航測の赤色立体地図作成手法(特許3670274,4272146)に基づき,これを活断層地形判読用に最適化したデジタル地左から,2016年熊本地震時に地表に出現した断層,根尾谷断層(岐阜県)沿いのMPI赤色立体地図*,山体重力変形を対象とした現地でのボーリング掘削調査風景,東南極氷床での氷河地形調査時のベースキャンプ形データ表現手法(Kaneda & Chiba, 2019).地球上には,私たちの日常の時間スケールや空間スケールでものごとを捉えていただけでは全く見えないことが数多くあります.例えば,地震や火山噴火などの自然現象は,一般に大規模なものほどその発生頻度は低く,千年・万年に一度しか発生しないものも少なくありませんし,近年の気候変・温暖化についても,十万年スケールの氷期-間氷期サイクルの中で捉えれば,その見え方は全く変ってきます.また,「木を見て森を見ず」という言葉がありますが,規模や影響が大きな自然現象ほどその存在や可能性,前兆が見えづらいことも多く,各種計画を立案・進行する上では,大きな空間スケ ールで見てその対象がどのような場所に位置するのかを正しく捉えておくことが重要になります. 当研究室では,地形学および地質学を基礎とし,そのような「地質学的時間・空間スケールの目」をもって, ・活断層と地震(変動地形学,古地震学)・大規模斜面崩壊の先駆的・前兆的山体変形(山体重力変形)・気候変動に関連した過去の氷河・氷床変動(氷河地形学)などを対象とした研究を行っています.手法としては,現地での地形・地質調査やボーリング等各種掘削調査をはじめ,地形解析,試料分析,各種年代測定,数値計算などを組み合わせて研究を進めています.どこかの刑事ドラマに出てくる「事件は現場で起きている!」ではありませんが,とくに,当研究室では,実際に現象が起きている現地へ出かけて自分たちの手でデータを取ることを重視しており,山岳地域を中心に各地で現地調査を実施しています.そして,こうした研究・調査経験を通して,地質学的時間・空間スケールでものごとを捉える目をもった技術者・研究者を育成することを目指しています. XXXX号室サイバネティクス、人とシステム人工知能/感性工学研究室でメインに学べるキーワード関連して学べるキーワード※P1の一覧表と合わせてご参照ください。【キーワードの見方】メイン関連メイン都市設計、防災、都市デザイン関連自然環境,気候変動メイン自然環境とエネルギー関連都市設計、防災、都市デザイン1819地形・地質学研究室地形・地質学研究室地質学的時間・空間スケールでものごとを捉える目地質学的時間・空間スケールでものごとを捉える目都市環境学科都市環境学科金田 平太郎教授金田 平太郎教授
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