耐久性試験の状況ココンンククリリーートト工工学学研研究究室室 私たちの身近にあるコンクリート構造物を探ろう大大下下 英英吉吉 教教授授 鉄筋腐食診断試験の状況コンピュータによりモデリング数値計算を用いたシミュレーション劣化の生じたコンクリート構造物腐食鉄筋電磁誘導コイルサーモグラフィ今日、コンクリートは住宅、ビル、鉄道、空港、ダム等々の社会資本を形成し、私たちが安全で快適な生活を送るうえで、必要不可欠な建設材料です。コンクリートの年間生産量は6億トンとも言われており、単純に換算すれば、一人当たり5トンものコンクリートを1年間に消費していることになります。コンクリート構造物は非常に耐久性があり、近年までメンテナンスが不要であるとされてきました。このことはコンクリートが現代社会においてこれ程までに使用されるようになった理由の一つでもあります。しかしながら、近年、山陽新幹線の福岡トンネルやJR北海道の在来線の覆工コンクリート脱落等、コンクリート構造物に様々な劣化現象が生じ、社会問題となっております。今や、「コンクリートはメンテナンスフリー」であるとの神話は崩壊し、維持管理の必要性、重要性が見直されております。当研究室では、コンクリート構造物の長期的なシナリオを見据えた維持管理技術の確立するため、コンクリートを様々な視点から分析し、日夜研究を行っております。以下に当研究室で行っている研究の一例を示します。1.熱画像処理に基づくコンクリート内部劣化性状評価システムの構築に関する研究IH(=Induction Heating)調理器具などで用いられている電磁誘導加熱の要領で、コンクリート表面に設置した電磁誘導コイルを使って、コンクリート構造物を壊さずに内部の鉄筋のみを加熱します。そして、コンクリート表面温度に表れる温度変化を赤外線サーモグラフィ画像で表し、コンクリート内部の空洞、鉄筋腐食の有無、腐食程度を判断する研究です。2.腐食鉄筋を有するコンクリート部材の残存耐力に関する研究鉄筋腐食を生じた鉄筋コンクリート部材の耐力や変形性状といった力学的性状を定量化し、現時 点におけるコンクリート部材の保有性能を把握する研究です。実験棟1階健全鉄筋ココンンククリリーートト 熱画像メイン都市設計、防災、都市デザイン関連物性/画像処理都都市市環環境境学学科科 16コンクリート工学研究室都市環境学科大下 英吉教授
元のページ ../index.html#18