9~ 100 mK ~ 100 mK 1号館2階 1217号室 1号館2階 1217号室 量子光学研究室 東條 賢 准教授 量子光学研究室 東條 賢 准教授 “波”が顕著に “波”が顕著に 波同士が重なる 純粋な“原子レーザー” 波同士が重なる 純粋な“原子レーザー” 運動量 -mv 運動量 -mv 運動量 MV 運動量保存(船とボール) 運動量 MV 運動量保存(船とボール) レーザー冷却によって冷えた原子 レーザー冷却によって冷えた原子 私たちの研究室では、レーザー光を使って原子を冷却し波のように振る舞う原子の研究を行っています。物理学科 こう聞くと「原子の波って何?」と不思議に思うかも知れません。また「レーザー光を使ってなぜ冷えるのだろう?」という疑問も起きるでしょう。私たちはこのような不思議や疑問を出発点とし、これらの現象の実現や解明するために、物理学を用いて研究を続けています。私たちの研究室では、レーザー光を使って原子を冷却し波のように振る舞う原子の研究を行っています。レーザー光で物質を冷やす「レーザー冷却」は約30年こう聞くと「原子の波って何?」と不思議に思うかも知れません。また「レーザー光を使ってなぜ冷えるのだろ前に発明されました。どうやって物質が冷えるのか、物理う?」という疑問も起きるでしょう。私たちはこのような不思議や疑問を出発点とし、これらの現象の実現や学を使って考えてみましょう。原子(物質)の温度はその速解明するために、物理学を用いて研究を続けています。レーザー光で物質を冷やす「レーザー冷却」は約30年さ(運動エネルギー)と関係があり、原子の速さを遅くすると温度が低くなる、と言えます。これには原子が吸収でき前に発明されました。どうやって物質が冷えるのか、物理る波長を持つレーザー光を当てて、光のエネルギーを原学を使って考えてみましょう。原子(物質)の温度はその速子に作用させることで実現できます。右図上のように、(1)さ(運動エネルギー)と関係があり、原子の速さを遅くする池の上を進んでいる船の上で身構えて、(2)正面から向かと温度が低くなる、と言えます。これには原子が吸収できってくるボールを受け続けるとしましょう。船の上でボールる波長を持つレーザー光を当てて、光のエネルギーを原子に作用させることで実現できます。右図上のように、(1)を受け続けると船はどんどん減速し、最後にはほとんど静池の上を進んでいる船の上で身構えて、(2)正面から向か止してしまいます。原子が静止したときはまさに絶対零度ですが、レーザー冷却では絶対温度にして100 mK(1万ってくるボールを受け続けるとしましょう。船の上でボール分の1度、絶対零度から0.0001度だけ高い温度)以下まを受け続けると船はどんどん減速し、最後にはほとんど静で到達できます(右図下、100 mKまで冷えた原子集団)。止してしまいます。原子が静止したときはまさに絶対零度ですが、レーザー冷却では絶対温度にして100 mK(1万 次に「原子の波」を考えてみましょう。実は原子はもともと波の性質を持っています。ただ温度が高いとき分の1度、絶対零度から0.0001度だけ高い温度)以下まの原子の波は、原子の大きさよりずっと小さいため表に現れずビリヤードボールのような粒子として振る舞います。温度を下げると徐々に波としての性質が顔を出し、100 mK(1万分の1度)になると波としての性質で到達できます(右図下、100 mKまで冷えた原子集団)。が表に出て、100 nK(1千万分の1度)まで冷却して条件がそろうと、ボースアインシュタイン凝縮体という 次に「原子の波」を考えてみましょう。実は原子はもともと波の性質を持っています。ただ温度が高いとき状態へと変化します。この凝縮体は多数の粒子があたかも一つの波のように振る舞い、レーザー光とよく似の原子の波は、原子の大きさよりずっと小さいため表に現れずビリヤードボールのような粒子として振る舞ていることから原子レーザーとも呼ばれます。原子レーザーは実現されてからまだ20年程度しか経っていいます。温度を下げると徐々に波としての性質が顔を出し、100 mK(1万分の1度)になると波としての性質が表に出て、100 nK(1千万分の1度)まで冷却して条件がそろうと、ボースアインシュタイン凝縮体というない新しい分野で、私たちは新しい性質や現象を見出すことを目指して研究を進めています。 オープンキャンパスでは研究内容の紹介のほか、光の不思議を体験してもらうために、レーザー光を使状態へと変化します。この凝縮体は多数の粒子があたかも一つの波のように振る舞い、レーザー光とよく似ていることから原子レーザーとも呼ばれます。原子レーザーは実現されてからまだ20年程度しか経っていったいくつかの簡単な実験を行っています。物理学は実験と理論の両立が大切ですので、ぜひ研究室での実験を体験して新たな不思議や疑問の出発点となればうれしく思います。ない新しい分野で、私たちは新しい性質や現象を見出すことを目指して研究を進めています。 オープンキャンパスでは研究内容の紹介のほか、光の不思議を体験してもらうために、レーザー光を使ったいくつかの簡単な実験を行っています。物理学は実験と理論の両立が大切ですので、ぜひ研究室での実験を体験して新たな不思議や疑問の出発点となればうれしく思います。 室温(300 K) 室温(300 K) “ビリヤードボール” “ビリヤードボール” (1) (1) ~ 100 nK ~ 100 nK (2) (2) 運動量 MV mv 0 K 0 K 運動量 MV mv サイバネティクス、人とシステム人工知能/感性工学研究室でメインに学べるキーワード関連して学べるキーワード※P1の一覧表と合わせてご参照ください。【キーワードの見方】メイン関連メインレーザー関連物性/低温物理学科 量子光学研究室レーザー光が創り出す超低温世界の探索物理学科東條 賢教授
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