研究テーマのキーワードは学部ガイドと統一いたしますので、ご記入いただく必要はございません。 サイバネティクス、人とシステム人工知能/感性工学研究室でメインに学べるキーワード関連して学べるキーワード※P1の一覧表と合わせてご参照ください。【キーワードの見方】メイン関連メインデータ科学、統計、空間情報関連健康科学105 社 会 の ニ ー ズ に 応 え る 、 健 康 関 連 の 因 果 関 係 を 評 価 す る 統 計 解 析 手 法 を 学 ぶ 【疫学・⽣物統計学って何︖】 「情報化社会」と言われて、はや数⼗年。我々は多くの情報を瞬時に手にすることができます。一方「正しい健康情報を知りたい」というニーズはなかなか満たされていません。最近「新型コロナウイルス感染症ワクチン」は発症を予防する︖重症化を予防する︖程度は︖副作⽤は︖等の健康情報を検索した方は多いのではないでしょうか。実は「健康影響」とその「原因」の関係を明らかにするのはとても難しいことです。もし皆さんが、いま突然お腹が痛くなったとしたら、その原因は何でしょう︖昨⽇今⽇の食べ物︖ここ数週間のストレス︖ここ数か月の暴飲暴食︖何年にもわたる生活習慣の影響…︖︖︖因果関係が遠ければ遠いほど、また複合的な因果が絡み合っていると、因果関係を特定して評価し、定量するのは非常に困難です。 「疫学」は150年以上前からヒトの集団を観察することで健康や病気に関する複雑な因果関係を特定し、ヒトが病気にならないためにはどのような対策を取ったらいいかを模索してきました。例えば、数⼗年前には当たり前に吸われていたたばこに様々な健康影響があることを明らかにし、禁煙教育や分煙などを進める上で疫学の知⾒は⼤きな推進⼒となりました。ただ最近はより複合的な因果関係が問題になることが多く、喫煙者は非喫煙者の何倍肺がんになりやすい︕等の古典的なデータ分析だけでは社会的ニーズに応えるには不⼗分となってきました。そこで「生物統計学」の出番です。生物統計学はヒトから得られたデータを扱う統計学です。医療・治療の進歩や医薬品・医療機器の開発のためのデータ分析手法として、コンピュータの進歩とともにここ100年で⾶躍的に発展してきました。生物統計学を学ぶことで、様々な健康関連データをより適切に扱い、より確かな因果関係の評価を⾏い、広く社会に発信することができるようになります。 【受験⽣へのメッセージ】 データサイエンス、ビッグデータが取りざたされる昨今、私たちは多くのデータに触れることができます。一方で、どのようにデータが取られたのかを理解し、確かな統計的知識を持って適切に取り扱い、誤解を招かないよう社会に向けて発信するというプロセスには非常に⾼い専門性と幅広い知識が必要です。1⼈や1つの研究室ですべてが完結することは稀で、医療者や計算機の専門家、倫理やコミュニケーションの専門家等との連携が必要になります。幅広く⼈や社会の問題解決に興味があり、勉強し続けることを厭わず自身の専門性を⾼める意欲がある学生さんが数多く目指してくれることを期待しています。 社会のニーズに応える、健康関連の因果関係を評価する統計解析手法を学ぶ疫学・生物統計学研究室 ⼈間総合理⼯学科 疫学・生物統計学研究室人間総合理工学科 ◇◇ ◇◇ 教授 竹内 文乃准教授
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