室 生生命命科科学学科科 植植物物のの進進化化とと地地球球環環境境のの変変遷遷過過程程をを探探るる 植植物物系系統統進進化化学学研研究究室室 西西田田 治治文文 教教授授 あなたのルーツはどこにありますか?生き物の歴史を知ることは、自分の由来を知りたいという素直な好奇心を満たすことでもあります。歴史を知ることはさらに、人間としての自分がどのような存在なのかを問い返し、その存在を支えている地球環境のあり方を考えるきっかけになります。この研究室では、この歴史を植物の化石をもとにひもときます。 現生植物の系統関係や発生のしくみは、分子レベルでどんどん明らかになってきます。しかし、過去の生物の姿や生活を伝えてくれるのは、化石しかありません。この研究室では、様々な保存状態の植物化石からできるだけ多くの情報を取り出し、過去の生物を復元するだけでなく、さらに生物学的、地球科学的研究へと展開します。現生生物学による成果との相互検証を行い、植物の進化過程をより深く理解することをめざしています。特に、鉱化化石という、内部構造の保存された化石の研究を行っている、日本でも珍しい研究室です。2億5千万 2006年に高解像度X線CTスキャナを導入しました。2012年には第13回国際花粉学会議/第9回国際古植物学会合同大会を開催し、49カ国から560名が参加しました(下写真上)。 年前の種子の中に泳ぎだした化石の精子(下)も発見しました。いろいろな植物化石の世界を覗いてみませんか。現在は、1.維管束植物の進化過程と陸上生 態系の変化、2.ゴンドワナ大陸関連植物の分 類地理、3.化石裸子植物の多様性と被子植 物起源群の探索、4.東アジアにおける被子植 物の侵入と多様化過程の追跡、5.パタゴニアの植物相の起源解明が主要テーマです。研究材料は国内だけでなく、広く世界に求め、南極(左写真下)、チリ、オーストラリア、マダガスカル、中国、ロシアなどで調査を行っています。2019年からは北海道大学と、植物化石研究の新技術開発プロジェクトをはじめました。 ← 2011年1月の南極調査 植物化石の驚きの保存状態が、陸上生態系の歴史を語る2326・2330号2号館3階 メイン生物、バイオ、バイオテクノロジー関連自然環境とエネルギー/その他(生物多様性)94植物系統進化学研究室西田 治文教授(2024年3月退職予定)生命科学科
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