中央大学 理工学部研究室ガイド 2023
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「「理理由由ももななくく起起ここるる現現象象」」もも自自然然科科学学のの対対象象。。統統計計物物理理学学でで「「偶偶然然」」をを科科学学すするる。。 物理や化学で、理想気体ということばを聞いたことがある人もいるだろう。『一定質量の気体の体積は、圧力に反比例し、絶対温度に比例する』というボイル・シャルルの法則に正確に従う気体として理想気体が定義される。理想気体は希薄気体を理想化したものであり、気体分子間に力(相互作用)がはたらくことはない。また各分子に大きさはなく単なる点と見なされる。つまり、理想気体とは、空間の中を膨大な数の点が勝手気ままに飛び回っている状態にあるのである。いま、この理想気体分子がどのように飛び回っているのか、目で見ることができたとしよう。紙面で表せるように、2次元平面上の理想気体を考えることにする。ある瞬間にカシャッと写真に撮ったとしたら、理想気体分子を表す点の配置はどんな風に写るのであろうか。図1と図2として2つの点配置を示した。点の密度は両方の図で同じにしてある。さて、どちらであろうか。分子間に、互いに退け合う斥力も、引き付けあう引力もはたらかないとすると、粒子の配置は空間的に一様なものになるはずである。そう考えると図2が正解と思われる。図1では点が集まってしまった所があり、そのため逆にスカスカになってしまっている部分がある。一様には見えないからである。ところが、正解は図1なのである。某人気推理小説(ドラマ)に登場する物理学者Y教授は「現象には必ず理由がある」と言い切る。しかし、図1に見られる点の粗密はまったくの偶然の産物なのである。平面上にたくさんの点をでたらめに打つと、このような図が得られるのである。点が集中したり疎らになったりするのは、結果的にそうなっただけで、そこには何の理由もない。このような「理由もなく起こる現象」もまた自然科学の対象であり、そのための理論が統計物理学なのである。 それでは、図2は何の点配置であろうか。その説明には数理物理学の分野で現在盛んに研究されているそれでは、図2は何の点配置であろうか。その説明には数理物理学の分野で現在盛んに研究されているランダム行列理論(ガンダムではない)が必要になる。続きはポスター展示、あるいは研究室のweb pageランダム行列理論(ガンダムではない)が必要になる。(https://www.phys.chuo-u.ac.jp/j/katori/)をご覧ください。続きは研究室の web page(https://www.phys.chuo-u.ac.jp/j/katori/)をご覧ください。サイバネティクス、人とシステム人工知能/感性工学研究室でメインに学べるキーワード関連して学べるキーワード※P1の一覧表と合わせてご参照ください。統統計計物物理理学学・・数数理理物物理理学学研研究究室室香香取取 眞眞理理 教教授授 1号館5階1530号室「理由もなく起こる現象」も自然科学の対象。統計物理学で「偶然」を科学する5【キーワードの見方】メイン関連 統計物理学・数理物理学研究室メイン物性関連その他(数理物理/統計力学)物理学科香取 眞理 教授

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